Thursday, September 21, 2017 9:46 AM
脊椎手術専用のARめがねが登場
イスラエルの新興企業オーグメディックス(Augmedics)は、脊椎手術を専門とする外科医向けの拡張現実(augmented reality=AR)ヘッドセットを開発中で、その試作品をこのほど披露した。
コンピュータ支援型の手術システムは昔からあり、近年の手術室は先進機器であふれているが、オーグメディックスが開発した試作ARヘッドセット「ヴァイザー(Vizor)」はまったく新しい機器だ。
テッククランチ誌によると、ヴァイザーは従来型の手術機器と異なり、外科医がスクリーンを見る代わりにHUD(heads up display=視野に情報を直接表示するディスプレイ)のように機能することで、術野を見ながら情報を取得できるようにする。
ヴァイザーの外見はめがねに似ているが、患者の脊椎を立体表示できる。執刀医は、患者の体内にある術具をリアルタイムで見ることもでき、また、ヘッドセットに内蔵された検知器群によって自身の頭部の動きも追跡できる。
「われわれはこれまで50人の脊椎専門外科医にヴァイザーを見せた」「その全員がわれわれの技術に圧倒された」と同社の共同創設者であるニッサン・イレムレッチCEOは話した。
脊椎手術にはナヴィゲーション・システムが必要で、ヴァイザーはその機能を実現する。手術用ナヴィゲーション・システムは神経外科医らによってすでに使われているが、市場規模としては脊椎手術向けナヴィゲーション・システムのほうが非常に大きい。
現行の手術用ナヴィゲーション・システムは20万〜50万ドルもする。「われわれは、現行システムに対して競争力のある価格に設定する」とイレムレッチ氏は述べた。