Tuesday, October 10, 2017 1:58 PM
ティッセン、EV時代に備え鍛造事業を統合
ドイツの鉄鋼・工業製品大手ティッセンクルップ(Thyssenkrupp)は、事業の大部分を占める内燃エンジン部品への依存脱却を目指し、世界の鍛造事業を統合して新部門を創設した。
ロイター通信によると、新しい「鍛造テクノロジー事業」部門は、クランクシャフトを作るブラジル拠点の鍛造・機械加工、イタリア拠点の車台製造の2部門が統合され、同社会計年度の始まりである10月1日に設立された。世界の生産拠点は18カ所、従業員は7000人で、70カ国以上に流通網を持つ。年間売上高は10億ユーロ(12億ドル)以上。
ティッセンクルップのコンポーネント事業に属し、エッセンのグループ本社に管理される。コンポーネント事業部長のカーステン・クルース氏は「世界の生産ネットワークを一元管理することで、当社の施設をより効率的に使用し、もっと顧客の要求に合った製品供給が可能になる」と語った。
自動車業界はティッセンの売上高の4分の1を占め、最大。車の電動化が進めば、現在製造する部品が必要なくなる。同社の欧州鉄鋼事業は、年間生産量の半分(約600万トン)を自動車のサプライチェーンに供給している。
ティッセンは9月、欧州の鉄鋼部門とタタ・スチールの合併計画を発表した。現在は事業構成の拡大を目指しており、潜在的な標的となる市場セクターとして原材料の採掘、エネルギー生成、移動に注目している。