Monday, November 27, 2017 11:24 AM

新車は減少、石油需要は上昇〜IHSが20年後を予想

 米国、欧州、中国、インドにおける個人向け新車販売台数は、2017年現在の年間約6700万台から40年には5400万台に減少する一方で、走行距離は65%増えて年約110億マイルに達し、石油の需要は高まるとの見通しを、市場調査IHSマークイットが発表した。

 配車サービスの増加などを受け、世界の自動車販売は今後20年間に減少するものの、石油の需要は増加するとの予想されている。

 ロイター通信によると、40年時点の4市場の新車販売のうち、電気自動車(EV)は約19%、電気モーターと内燃エンジンを使うプラグイン・ハイブリッド車(PHV)は14%とそれぞれ飛躍的にシェアを拡大するものの、依然として80%以上の車(PHV含む)は何らかの石油燃料を使うとIHSは予想している。ボストン・コンサルティング・グループは、30年までにEVが自動車生産の14%を占めると見込んでいる。

 一方、石油の需要は輸送以外の用途を中心に増加し、現在の1日9800万バレルから40年には1億1500万バレルになる見通し。IHSのダニエル・イェルギン副会長によると、EVの普及要因としては技術的進歩や各国の政策が挙げられるが、消費者を最も強く動かすのはライドシェア(相乗りサービス)で、ウーバーや中国のディディ・チューシン(滴滴出行)などが必要に応じて提供する配車サービスの影響が強まるという。

 同氏は「石油の需要が高まるという調査結果は意外だった」と話すが、石油需要のうち車は3分の1にすぎない。IHS報告書は、需要が高まる一方で既存の油田の産出量は自然に減少するため、40年までに1日4300万バレルの産出量を新しく確保する必要があると指摘する。