Wednesday, March 07, 2018 10:57 AM

フォードとGMに巨額コスト〜輸入制限で各10億ドル

 トランプ政権が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動した場合、鉄鋼価格の上昇によってフォードとGMにはそれぞれ年間10億ドルのコストが発生するとの試算結果を、ゴールドマン・サックスが発表した。

 CNNマネーによると、試算は2017年の生産状況を基に行われ、10億ドルはフォードの17年純利益の12%、GMでは7%に相当する。フォードは「輸入制限は国内の商品価格を上昇させ、国内メーカーの競争力を損なう恐れがある」との見方を示し、GMは「米国メーカーが国内で外国勢に勝ち、雇用を拡大できるような貿易政策を支持する」と表明している。両社とも、国内での自動車生産で使っている鉄鋼は大部分が米国製だという。

 トランプ大統領は、輸入関税をを週内に正式決定する考えで、これによって米国の鉄鋼やアルミの生産が増え、不公平な貿易慣行に対抗できると主張している。鉄鋼とアルミ以外の業界は、関税が原料価格を上昇させ、経済に悪影響を与えると警告している。

 自由貿易の促進を目的に設立された米国際自動車ディーラー協会(AIADA)は、自動車の価格が「大幅に」上昇する可能性や、他国からの報復関税で米国製品全体の価格が上がる可能性もあると警告する。