Wednesday, March 14, 2018 10:33 AM

ニューコア、棒鋼工場新設〜フロリダで、輸入制限が弾みに

 連邦政府が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を決めたことを受けて、鉄鋼大手ニューコア(Nucor、ノースカロライナ州)は、フロリダ州ポーク郡に2億4000万ドルを投じて鉄筋材の工場を建設する。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、新工場では建築用鉄筋向けの棒鋼を生産する予定で、遠方から輸送する同業に対するニューコアの競争力が高まりそうだ。新工場の棒鋼生産能力は35万トンで、建設には2年かかる見通し。完成後は250人を雇用し、平均6万6000ドルの給与を支払う予定。

 トランプ政権は8日、カナダやメキシコ以外の国から輸入される鉄鋼やアルミに輸入制限を発動すると発表した。ニューコアは2017年にもミズーリに棒鋼工場を新設する計画を発表しており、輸入制限がフロリダの工場建設の直接の引き金になったわけではないという。しかしジョン・フェリオラCEOは13日までに、輸入鉄鋼の大量流入に対抗措置を講じたトランプ大統領に謝意を表明した。

 輸入制限の決定を受け、業界では国内の休止工場を再開する動きも活発化している。USスチールは7日、イリノイ州の休止中の高炉を再稼働して500人の労働者を呼び戻すと発表。センチュリー・アルミニウムも15年から休止していたケンタッキー州の製錬所の生産ラインを再稼動し、労働者数を2倍の600人に拡大する予定だ。

 これらの地域の住民や社員は喜んでいるが、輸入制限に批判的な人々は、鉄・アルミ製部品に依存する自動車メーカーや食品・飲料メーカーなどが打撃を受けると見ている。