Thursday, March 29, 2018 10:10 AM
キーケルト、自動運転時代のドアロック供給へ
ドイツの自動車ドアロック装置メーカー、キーケルト(Kiekert)は、自動運転車時代に向けて準備を進めている。同社は、車両の利用者を管理し、ドアを自動で開閉する一連の機器の供給を担う考えだ。
オートモーティブ・ニュースによると、キーケルトの電気式ドアロック「ニューエントリー(NuEntry)」は、指先での接触やスマートフォンでドアが開く外部のタッチセンサーを使い、車のドアからハンドルを排除している。
キーケルトのゼネラルマネジャー、マイク・ヒートブリンク氏は、この技術によって従来式のドアロック装置を確実に軽量化できるといい、「現在の車に搭載されている多くのシステムが不要になる。外側のドアハンドルやアタッチメント、ケーブル、ロッド、またドアロックを保護するための補強機器などはすべて必要なくなる」と話す。
ニューエントリーは、衝突時の冗長性も備えている。衝撃を受けるとロック機構が機械モードに切り替わるため、緊急ケーブルやその他の解錠機能によってドアを開けることができる。
センサーシステムの試作品「アイプロテクト(i-Protect)」は、ドア近くにある障害物を特定し、検知するセンサー装置。機械式ブレーキの働きで、開いたドアは障害物から1センチ手前で止まる。これでドアの損傷や歩行者のけがを防ぎ、ガレージや狭い駐車スペースでも簡単にドアを開けることが可能になる。
アイプロテクトは、ボストン・コンサルティング・グループが実施したビジネスコンテストに応募したドイツの高校生チームの思いつきから生まれた。ドイツ国内大会で優勝したチームにキーケルトが技術を提供し、大会の半年後に試作品が完成した。
キーケルトが「インテリジェント・ムーブメント装置」と呼ぶ機能「アイムーブ(i-Move)」は、車のドアの自動開閉を可能にする。同社によると「既存の顧客のほぼ全社が、興味の強弱があるとはいえ関心を示している」という。
【http://www.autonews.com/article/20180319/OEM10/180319804/1528】