Thursday, August 18, 2016 10:55 AM
シリコン量を削減するウェハーの新設計〜1366テクノロジーズの開発に注目
シリコンを使用する太陽光電池のコスト削減に取り組んでいる新興企業の1366テクノロジーズ(1366 Technologies)は、製造に必要なシリコンの量を削減する立体的なウェハーを開発し、注目されている。
ウェハーの厚みには一定の限界があるため、従来型の設計にもとづくコスト削減にも限界がある。1366テクノロジーズは、その問題に対応するために新設計を開発した。
グリーンテック・メディアによると、ウェハーは、過去何年もかけて着実に薄型化しており、現在の業界標準は180〜200ミクロンまで薄くなった。しかし、180ミクロンより薄くすると強度が損なわれ、太陽電池にした際に破損しやすくなる。1366はそこで、圧力のかかる部分を強化する一方で、ほかの部分からシリコンを取り除く方法を模索した。
その結果として開発されたのが、縁部の厚さ180〜200ミクロン、中央部の厚さ100〜200ミクロンのウェハーだ。それによってシリコンの消費量をさらに削減できた。
1366では、ウェハーのコストを現行の半分に引き下げるという目標を掲げている。ウェハーの価格は一般的にソーラー・モジュールの総コストの約40%を占める。
1366は、インゴットを形成してウェハーを裁断するという従来の工程とは異なる方法によって、より柔軟なウェハー設計に取り組んだ。
「ウェハー製造の過程には大きな無駄がある」と、同社のフランク・ヴァン・ミエロ最高経営責任者(CEO)は話す。
大きなシリコン塊を縫合してウェハーにするのではなく、1366はシリコンを炉で溶かし、溶けたシリコンの層の上でウェハーを一つずつ成形することで、縫合過程を省いた。
ヴァン・ミエロ氏によると、同社開発の方法を使うと、従来工程での同量のシリコンから2倍のウェハーを作れるという。
また、同社の方法だと、縁と中央で厚さの異なるウェハーも作ることができる。新設計の同ウェハーは今後、顧客による検証を受けて有効性が確認されれば、現行の生産ラインに簡単に追加できる。
【http://www.greentechmedia.com/articles/read/1366-technologies-unveils-new-wafer-technology】