Friday, August 19, 2016 9:49 AM
物流大手ダムコ、大々的なデジタル化に注力〜時代遅れの業界にも革新の波
フェデックスやUPSといった米配送大手は、ITを駆使することで配達と受け取りの効率化を世界規模で可能にしている。しかし、それは業界大手のなかのさらに一部に限って言えることで、物流業界全体をみれば、ITはほとんど浸透していない。
フォーブス誌によると、国際物流大手ダムコ(Damco)は、時代遅れの物流業界に変革をもたらすべく、過去最大規模の業務デジタル化に取り組んでいる。
そのきっかけは、ヘニング・ゴールドマン氏がダムコの最高情報責任者(CIO)に2年前に就任したことだ。同社はそれまで、20年前のメインフレームを使っていた。注文履歴管理や供給網管理の初歩的なことは自動化されていたが、少し複雑な処理になると、担当者らが各種の情報を組み合わせてみずから導き出すことが常態化していた。
出荷業者や物流調整業者を含め、ほとんどの業者において業務デジタル化はかなり遅れている。経験者に仕事を任せることが商習慣であるため、電話やファクシミリが主流という世界だ。
ゴールドマン氏はダムコに加わった直後から、「サプライ・チェーン3.0」と銘打った一大改革に2015年に着手した。おもに、顧客が荷物をリアルタイムで追跡でき、流通過程で異常が起きる前にダムコが予想して対応できるようにすることが目標だった。
それ以外にも、ほかの業界では基本的な電算処理システムも整備された。その結果、それまでなら数ヵ月かかっていたデータの整理とダウンロードをわずか数時間で実行できるようになった。
ゴールドマン氏によると、電子化された顧客サービスに対する反応は好評だという。