Monday, August 22, 2016 11:27 AM

ロボット弁護士、立ち退き回避支援で市民救済〜NY進出を計画

 家賃高騰や福祉予算の削減によって、英国では住居立ち退きを余儀なくされる人々が激増している。そうしたなか、立ち退き回避を支援する無料のオンライン・サービスが注目されている。

 オレンジ・カウンティー・レジスター紙によると、ドゥノットペイ(DoNotPay)と呼ばれる同サービスは、法的問題を解決するチャットボット・サービス(問い合わせに自動回答するアルゴリズムを使ったオンラインの応答サービス)だ。

 ドゥノットペイのウェブサイト(DoNotPay.co.uk)上のチャット・ボックスに利用者が要件をテキスト入力すると、チャットボットが関連質問を表示し、利用者がそれらに答えるというやり取りをしたあと、ドゥノットペイのシステムが、入手した情報をもとに政府への申請書類を作成する仕組みだ。

 質問内容には、たとえば、職歴や収入、深刻な病気や障害を持つか否か、家賃を払えなくなった理由といったものが含まれる。

 ドゥノットペイが作成した申請書類が行政機関によって審査されると、政府が提供する低所得者向け住居に入居できる可能性が高くなる。

 英国では2010年〜2015年に、立ち退き命令を受けた世帯数が53%も増えた。立ち退きを強いられた人数は2015年に4万2728人に達している。

 ドゥノットペイは元来、駐禁違反の罰金を回避するためのサービスとして提供されていた。その仕組みはまったく同じで、作成された弁明書類によって罰金免除を勝ち取るというサービスだ。同サービスはロンドンとニューヨークを対象に提供されている。すでに1万6000件以上で効果があったという。

 ドゥノットペイを開発したジョシュア・ブラウダー氏は現在、スタンフォード大学に留学中の学生。ブラウダー氏は今後、立ち退き回避の書類作成オンライン・サービスをニューヨークに拡大する計画だ。

 ただ、専門家によると、ニューヨークの事情はロンドンのそれと異なるため、同サービスがどれほど有効かどうか疑わしいという。

http://www.ocregister.com/articles/bot-725785-browder-housing.html