Tuesday, November 20, 2018 9:23 AM
バッテリーのコバルト減らせる新技術開発
独化学大手BASFと英貴金属精錬大手ジョンソン・マッセイにバッテリー技術が採用されたことで知られる起業家が、将来電気自動車(EV)の性能を向上させられるという新技術「GEMX(ジェムエックス)」を開発した。
ブルームバーグ通信によると、この技術を開発したケナン・シャヒン氏(77)は、EV用バッテリーの重要な素材であるコバルトを特定の部分だけに使うことで、バッテリーの原価を抑えられると説明する。
コバルトは現在、主にコンゴ民主共和国で生産されており、EVバッテリー向けの使用量が増えて将来不足するとの懸念から価格が高騰している。
新技術のGEMXは、ニッケルベースのさまざまなバッテリーパックに使用可能で、主要なバッテリー生産市場である米国、EU、中国、日本で特許を得ている。ベルリンで最近開かれた自動車業界の年次会合で同氏は、現在大手メーカー数社と交渉中で、そのうち1社はすでにライセンス購入に合意したと明かした。
シャヒン氏はブルームバーグの電話取材で「われわれは大手メーカーがこの技術を手にすることを望んでいる」と述べた。シャヒン氏の技術では、正極の化学組成の特定部分だけにコバルトを挿入する。この方法ならバッテリー正極材のコバルト含有率を現在の約20%から4%に下げられるという。
バッテリーのコバルト使用量を減らせば、政情不安定なコンゴへの依存が軽減されることになる。同国では子供を含む非正規労働者によって安全でない方法でコバルトが生産されているといわれ、BMWやフォルクスワーゲン(VW)などの自動車メーカーはこの状況を憂慮している。
【http://www.autonews.com/article/20181106/OEM05/181109863/cobalt-car-battery-kenan-sahin】