Tuesday, September 06, 2016 10:06 AM
南米問題、GMがサプライヤー契約に救済措置
ブラジルなど南米諸国で為替の変動や政情不安が続く中で、GMが対サプライヤー契約に異例の救済措置を導入している。
オートモーティブ・ニュースによると、GMの購買担当責任者、スティーブ・キーファー氏は、悪化する南米事業のコストを誰が負担するかでサプライヤーと「何度も議論を交わしている」と説明。「当社事業の10%にも満たない規模ながら、南米市場をめぐってどれだけの時間を議論に費やしたか分からない程だ」と付け加えた。
GMが送り出す台頭市場向け新型プラットフォームは、ブラジルやメキシコ、中国、インドなど各国で計200万台の生産が可能だ。GMは2019年までに50億ドルをプログラムに投資する計画で、約19億ドルをブラジルに充てる。
GMは、サプライヤーに対してプログラムの40%を担う南米への進出を促している。現地でコストを共有する割合が高まれば互いに為替のリスクも低減できる。キーファー氏によるとサプライヤーは問題が山積する南米への進出に消極的だ。
GMはこのため、サプライヤー数百社に柔軟性を拡大した契約「Collaborative Contract Management」を導入した。現地の景気や為替・原材料価格の急激な変動を勘案しながら、台頭諸国向けプログラムの契約内容を年単位で見直すしくみだ。
南米の問題は、フィルター製品を手掛ける独マン・ウント・フンメル(Mann+Hummel)にとっても頭痛の種だ。米州事業・製品開発を指揮するマイク・テルヌ氏によると、ブラジルでは生産量の落ち込み、樹脂など原材料の値上がり、インフレの悪化が重なって「パーフェクトストーム」に至った。
テルヌ氏によると、南米問題をめぐるサプライヤーへの対処は自動車メーカーによって異なり、為替の問題で取り決めを結ぶメーカーもある。それでもGMによる新契約は異例で、サプライヤーとの関係改善に努める姿勢が表れている。