Tuesday, March 05, 2019 9:19 AM

ピッツバーグ大学病院、機械学習で再入院率を低減

 ピッツバーグ大学病院(University of Pittsburgh Medical Center=UPMC)は、機械学習技術を活用して入院患者の再入院リスクを分析するアルゴリズムを開発した。

 ヘルスデータ・マネジメント誌によると、このアルゴリズムは、退院後7日以内または30日以内に再入院するリスクが高い患者を特定する。UPMCでは、同アルゴリズムを導入以来、そうした再入院の事例を約50%削減したという。

 「現時点では7日以内の再入院リスクに重点を置いている。7日間の予想モデルと30日間の予想モデルは、変数の統計的比重を少し変えるだけでほぼ同じだ」と、臨床分析班の責任医師オスカー・マロクイン博士は説明する。

 分析に際しては、UPMCの入院患者と救急患者から得られる医療記録データを使っている。その分析結果を臨床医の使うダッシュボードに視覚的に表示することで医師の判断に役立てる。

 医師らは、そのダッシュボードによって入院中の患者の情報を確認できるほか、病棟や診療科、症例ごとの統計も閲覧可能。また、患者の自宅住所に応じて、退院後の病状確認を調整することもできる。

 UPMCは、米国最大の非営利研究病院。UPMCでは、すでに100万件の退院患者の情報がデータ化されており、40ヵ所にある病院のうち17ヵ所で活用されている。UPMCが現在管理中のデータは18ペタバイトに達する。

 「大規模の病院はどこでも大量のデータとその分析能力を持っているが、多くの病院が研究目的でデータを分析しているのに対し、われわれは現在、医療サービスの質を高めるために投資している」と、マロクイン博士は語っている。

 UPMCは、データ分析に対する1億ドルの投資を2012年終わりから5年計画で実施した。同アルゴリズムはその成果の一つだ。

https://www.healthdatamanagement.com/news/upmc-cuts-hospital-readmission-rates-with-ml-algorithm