Thursday, March 14, 2019 9:37 AM
IBM、機械学習でアルツハイマー病診断に挑戦
IBMは、独自の機械学習技術をアルツハイマー病の診断に応用する。機械学習技術によってアルツハイマー病の初期段階を判断できるようにし、早期治療の可能性を拡大したい考え。
アルツハイマー病に対する効果的な治療はいまのところなく、早期発見によって進行を遅らせることが最善措置というのが実情。発症すれば記憶を徐々に失い、日常生活が困難になる。早期発見できれば、患者やその親族は時間をかけて覚悟や準備に臨め、さまざまの治験を試すこともできる。
アルツハイマー病の初期検査は非常に高額で、脊髄液検査による苦痛がともなう。アルツハイマー病の診断には、髄液中の変質ペプチド(アミロイド・ベータ)の量で判断する必要があるためだ。
ZDネット誌によると、それに対してIBMの診断方法は、血中たんぱく質から髄液中アミロイド・ベータの量を判断し、膨大な量のアルツハイマー病データを学習した機械学習モデルを使うことで、アルツハイマー病の初期段階かどうかをその量から判断できるようにする。比較的簡単な血液検査によってアルツハイマー病を診断できることは画期的だ。研究者らによると、IBMの機械学習モデルの精度は約77%と予想される。
IBMの方法ではまた、治験に必要な患者の選別が正確になり、試験薬の種類や特性と個々の患者の症状から適合組み合わせを機械学習アルゴリズムによって判断できる。それによって新薬開発効率化の可能性もあがると期待される。
現在わかっている範囲では、軽度の健忘症の患者でも髄液中アミロイド・ベータ量が多い人は、少ない人に比べて2.5倍の確率でアルツハイマー病を発症する。
機械学習を使った予想モデルの開発はまだ初期段階。研究者らは、IBMの機械学習アルゴリズムがほかの病気の診断にも応用可能だと説明している。
【https://www.zdnet.com/article/ibm-takes-on-alzheimers-disease-with-machine-learning/】