Wednesday, March 20, 2019 10:12 AM
車1台の通過で約1100ワットを発電
サウス・カロライナ州拠点の新興企業コンストラクティス(Constructis)は、道路に埋め込んだ装置の上を車が通過する際に押し込む運動エネルギーで発電する技術を開発した。
同社はまもなく、バージニア州のハンプトン・ローズ地域で同技術の試験運用を開始する。
バージニアン・パイロット紙によると、コンストラクティスの創設者ジム・二グ氏はいまから約30年前に、土木工学者として高速道路で作業中にそのしくみを思いついたが、当時にはそれが現実的でないと考え、土木工学者としての会社勤めを続けた。
同氏はその間にも、自宅の車庫で開発に取り組み、自費25万ドルを投じて技術を改良し続けた。2016年には、車1台が通過するたびに約150ワットを発電できるようになった。
「その試作品が完成した時点で投資家が続々とやって来ると思ったが、実際にはそうではなかった」とニグ氏は話す。
同氏によると、類似したシステムは欧州にもある。たとえば、ロンドンには歩道に埋め込まれたタイルの上に歩行者が立って押し込むと発電するシステムがある。それらのシステムはニッチ技術にとどまっている。
同氏は、さらに約160万ドルを投じて技術を劇的に改良し、その結果、現在では1台が通過するごとに約1100ワットを発電できるようにした。10万台が通過すれば、平均的な三つの家庭の生涯使用電力に相当するという。
ハンプトン・ローズで試験運用をすることになった理由は、非営利団体RISEの存在だ。ハンプトン・ローズはノーフォークの対岸にあり、チェサピーク湾に二つの河川が流れ込む河口に挟まれている。近年、気候変動にともなって高潮で浸水が多発するようになったことから、RISEは、新興企業を対象とした競争大会形式で浸水対策案を募った。コンストラクティスは、120万ドルの賞金を目指す最終選考6社のうちの1社だ。
ニグ氏は、自身が開発したシステムで発電した電力を災害対策に役立てられると説明している。「街燈のほか、警察署や消防署に緊急時の電力を供給できる」と同氏は語っている。
【https://pilotonline.com/news/local/environment/article_e7c43ca6-39e2-11e9-941b-e394adf3bc76.html】