Friday, September 09, 2016 9:52 AM

IoT対応の省電力版LTEが年内にも登場か〜ベライゾンとAT&Tが導入計画を発表

 米国の無線通信サービス大手ら(キャリヤー)は、モノのインターネット(IoT=Internet of Things)に対応した省電力版LTE(Long Term Evolution)として、「LTEカテゴリーM1(LTE Category M1)」(別名Cat M1)として知られる無線通信規格の導入計画を相次ぎ発表した。

 ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)は商用キャットM1を2016年中に導入する計画で、AT&Tは湾岸地域(サンフランシスコ)で11月から試験運用を開始する。

 PCワールド誌によると、キャリヤーは既存通信網向けにソフトウェアを更新するだけでキャットM1に対応できる。しかし、その通信網を使う端末は半導体から変える必要がある。半導体メーカーらは、キャットM1対応半導体を向こう数ヵ月間に導入する見通しだ。

 省電力LTE通信網は、コストが高く複雑な完全LTE端末を使うことなく携帯電話並みの通信距離と、屋内でも優れた通信領域を実現すると期待される。省電力LTE端末の場合、電池寿命を10年以上に延ばせる可能性もある。

 キャットM1とそのほかの省電力広域(LPWA=low-power wide area)通信網は、たとえば、駐車メーターや環境検知器、省電力無線機を搭載した輸送用車両が交信するスマート都市の実現にとって朗報だ。

 そのほか、スマート住宅用機器や健康管理監視機器、身体装着型機器も、省電力無線通信網と端末の恩恵を受ける分野として挙げられる。

 一方、省電力化をさらに図るLTEシステム「カテゴリーNB-1(Category NB-1)」(別名NB-IoT)の開発も進んでいる。

 実用化にもっとも近いのはキャットM1だ。クアルコム(Qualcomm)やシークアンス(Sequans)、ユー・ブロックス(u-blox)を含む半導体ベンダーらは、キャットM1、場合によってキャットNB-1にも対応した半導体を近く市場投入する計画だ。

http://www.pcworld.com/article/3117269/lte-is-hitting-the-field-in-the-iot-game.html