Tuesday, September 13, 2016 10:05 AM
KKR、新興企業への投資を強化〜法人向けITやフィンテック、AIに焦点
1310億ドルの運用資産を持つ世界有数の投資会社であるKKRは、大企業向けITやフィンテック(fintech、ファイナンシャルとテクノロジーの2語を合体させた造語で、金融業務向けの技術を意味する)、人工知能(AI)に焦点をあわせ、米国と欧州、そしてイスラエルの初期段階新興企業への投資を強化する。
ビジネス・インサイダー誌によると、KKRは現在、未公開技術系企業向けの投資資金を集めており、製品と市場、技術をすでに確立し売り上げも計上しているが評価額がまだ小さい新興企業に投資対象を絞るす。
KKRのような私企業投資会社による技術系新興企業への投資は2016年に活性化している。たとえば、アポロ・グローバル(Apollo Global)は最近、クラウド電算企業のラックスペイス(Rackspace)を43億ドルで買収することに合意した。
また、トーマス・ブラヴォー(Thomas Bravo)は、データ解析企業のクリック・テクノロジーズ(Qlik Technologies)を30億ドルで買収すると表明。そのほか、TPGはインテルとの共同で、インテル・セキュリティー(Intel Security)を独立させる42億ドル規模の契約に合意した。
KKRは100社以上に投資しており、それらの企業の年間IT投資額は50億ドルを超える。KKRはそれを投資先企業間の提携と事業支援にうまく活用している。たとえば、投資先企業の一つで技術者向けアルゴリズム開発のアラゴ(Arago、フランクフルト拠点)は、KKRの手引によって、同じく投資先企業のファースト・データ(First Data)と提携し米国市場に参入した。
KKRはまた、セキュリティー問題で苦戦する投資先企業には、アイデンティティー管理事業者のピング・アイデンティティー(Ping Identity)を紹介してきた。KKRはピングに2014年に投資し、それ以降、ピングの年間経常利益は大幅に上昇し、2016年初めにヴィスタ・エクイティ・パートナーズ(Vista Equity Partners)への売却に成功した。
【http://www.businessinsider.com/kkr-growth-equity-fund-2016-9】