Wednesday, September 14, 2016 9:50 AM

ポケモン・ゴーから学ぶデジタル販促〜消費者感情に訴求し付加価値を創出

 グーグルや任天堂らが出資するシリコン・バレー新興企業ナイアンティック(Niantic)が開発したポケモン・ゴー(Pokemon Go)はいまや、米国市場最大のモバイル・ゲームであり、その人気を集客に利用しようとする企業や販促担当者が増えている。

 日本ではマクドナルドが最初の大手スポンサーとなり、日本国内の約3000店舗すべてにおいて、同ゲームで使える仮想品を提供し、集客効果をあげている。

 フォーブス誌が掲載したコンサルティング会社ベイン・インサイツ(Bain Insights)の寄稿記事によると、拡張現実モバイル・ゲームやモバイル・アプリケーションを集客に利用するにあたっては、その効果は企業の規模や業種に関係ない。

 たとえば、小規模事業主は、有償で広告を出すか、あるいはポケモン・ゴー利用の来店者に特典を提供するといった方法で来店者を増やすことが可能だ。

 ニューヨークのあるピザ店の場合、アプリケーション経由で10ドルを払い、10種類以上のモンスターを一時的に店内に呼び込んだ。ゲーム・プレイヤーらはそれらを「捕まえる」ために来店した結果、売り上げが75%増加した。

 ポケモン・ゴーの開発でポケモン(任天堂のキャラクター群の使用権を管理する会社)からキャラクター使用権を買ったナイアンティック(Niantic)は、「イングレス(Ingress)」という名前のよく似た拡張現実ゲームを約4年前に市場投入したが、ニッチ・ゲームの域を超えることはなかった。対照的にポケモン・ゴーは、1990年代に流行ったゲームや玩具の懐かしさに訴求して成功した。

 消費者の感情に訴えて製品の魅力を高める無形の特性を小売業界では「マジック(魔法)」と呼ぶ。ポケモン・ゴーのマジックは特に巧妙だ。

 消費者の心をつかむ企業とは、アルゴリズムやデータと販促マジックを一体化した体験を消費者に提供し、企業が自分たちを理解し、自分たちを助けようとしていると消費者に思わせるような関係を築くことができる企業だ。

 デジタルおよび実世界における消費者嗜好の変化をデータから読み取り、迅速に対応する能力も求められる。消費者にスマートフォン上で夕食の料理を選ばせ、食材がある場所まで案内するスーパーマーケット用アプリケーションの提供といったことも可能になる。

http://www.forbes.com/sites/baininsights/2016/09/06/the-digital-marketing-lesson-of-pokemon-go/#6108bad2590e