Monday, November 18, 2019 9:46 AM

アマゾン・ケア、社員向け医療サービスを大幅に簡便化

 アマゾンは最近、本社のあるシアトルで勤務する社員らに便利かつ手ごろ価格の医療サービスを提供するためのアマゾン・ケア(Amazon Care)事業専用のアプリケーションを提供開始した。

 CNBCによると、2019年秋に報じられたアマゾン・ケアは、試験運用も含めて3〜4年前から提供されているが、今回のアプリケーションによって、健康管理機器類や仮想診察、専門医による訪問医療といったサービスをアプリケーションを介して利用しやすくなった。

 アマゾン・ケアを利用するには、「Amazon.care」で社員登録して利用者口座を開設したシアトル在住者であることが条件となる。同社のオンライン受注処理センター(倉庫または配送センター)の従業員は対象外。

 利用者は、アマゾン・ケア・アプリケーションをスマートフォンにダウンロードし、各種の利用規定(たとえば医療記録や利用者個人情報の保護)に合意する必要がある。そのほか、医療保険に入っている場合にはその情報を入力する。

 アマゾンは、アマゾン・ケアの運営にあたって、オエイシス・メディカル(Oasis Medical)という第三者医療機関と提携した。アマゾン・ケア・アプリケーション利用社員らに提供される医療サービスのすべては、オエイシス・メディカルによって提供される。

 アマゾン・ケア・アプリケーションには、看護師との無料チャット「ケアチャット(CareChat)」と医療機関との動画チャット「ビデオケア(VideoCare)」という機能がある。

 アマゾン・ケアは、「すぐに手の届く」医療サービスと「待たずに済む」医療サービスを社員に提供することを掲げており、今回のアマゾン・ケア・アプリケーションによってそれをさらに拡充した。

 米国の大企業の一部には、あまりも高額の医療費や医療保険のコストを抑制すべく、医療機関や保険会社との提携を通して社員向けの医療サービス制度を整備する動きがある。アマゾン・ケアはそのなかでもっとも進んだ制度の一つだ。

 アマゾン・ケアは、近年に台頭しつつある遠隔医療サービスの脅威になる可能性も指摘される。独立系の遠隔医療サービス会社らは、いまのところ知名度が低いことから利用者を集めるのに苦労しているが、アマゾン・ケアが成功すれば、アマゾンが一般消費者市場に進出する可能性もある、とみられる。

https://www.cnbc.com/2019/11/10/amazon-care-health-service-for-employees-app-walkthrough.html