Monday, November 25, 2019 9:10 AM

ノキアとテリア、小売業界を次世代化

 第5世代の無線通信技術規格「5G」が世界各地で普及し始めるなか、スイスやドイツ、スペイン、イタリア、韓国、中国、フィンランドで法人向け5G通信網の整備も進んでおり、小売や自動車、物流、製造、医療、そして娯楽業界がその恩恵を受けると見込まれる。

 インタレスティング・エンジニアリング誌によると、特に小売業界では、ノキア(Nokia)とテリア(Telia)によってフィンランドのショッピング・モールに5G通信網がすでに整備され、次世代の買い物体験が世界に先駆けて実現する見通しだ。

 ノキアは、フィンランド拠点の無線通信技術および通信機器製造大手で、テリアは、スウェーデン拠点の通信サービス大手。両社が5G通信網を提供した先は、ヘルシンキのパシリア地区にある巨大ショッピング・センターのモール・オブ・トリプラ(Mall of Tripla)。

 広さ11万5000平方メートルのモール・オブ・トリプラには250店舗が入居し、さらに5万平方メートルの事務所空間もある。

 ノキアは、5Gの基地局と小型セル方式の技術をテリアの5G通信網に提供し、それによって大容量のデータ無線転送を遅延なしで実現できるようにした。5Gは、現行の4G(LTE)のデータ転送速度より約20倍速い。その結果、たとえば、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、複合現実(MX)用の大容量コンテントを遅延なしで無線転送できる。そのほか、機械学習アルゴリズムを基盤とする顔認識や動画認識も無線接続によって可能となる。

 それらの技術は5Gによって新たな販促や買い物体験、決済処理、広告をはじめとする顧客向け機能と店舗運営効率化機能をもたらし、ほかの業界より早期に革新をもたらすと予想される。

 ノキアは、消費者の購買行動を動画で分析することで在庫管理業務を大幅に効率化できるようになる、と話した。

https://interestingengineering.com/nokia-and-telias-5g-network-drives-retail-into-the-future-of-smart-cities