Wednesday, February 12, 2020 9:10 AM

海底油田開発でのロボット活用を試験へ

 産業向け人工知能ソフトウェアをサービスとして提供するコグナイト(Cognite)は11日、石油&ガス大手のエイカーBP(Aker BP)と提携したことを明らかにした。両社は、ロボティクス・システムを使って洋上開発の安全性と業務効率、さらに持続可能性を高める方法を模索する。

 ビジネス・ワイヤーによると、両社は、ノルウェイ海域でロボットとドローンを使った複数の試験を2020年中に実施する計画。自動検査や高品質データの取得、報告書自動作成といった性能を確認するのが目的だ。

 それらの試験では、上空からの検査と水中の検査に加え、原油やガスの流出への対処など、人間にとって危険性の高い作業が含まれる見通し。オペレーターは、陸上にいながら遠隔操作によって洋上施設の作業を制御できる。

 試験で使われるロボットには、ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)が開発した四足歩行ロボット「スポット(Spot)」が含まれる。コグナイトとエイカーBPは、石油&ガス開発現場の模擬化環境でスポットの可動性をすでに試験し、これまでの自動化技術では立ち入れなかった場所に到達できることを確認した。

 「業務のデジタル化は、世界中の石油会社が低コスト&低排出を達成するうえで差別化点の一つとなるだろう」と、エイカーBPのカール・ジョニー・ハースヴィックCEOは語っている。

 コグナイトの中核製品「コグナイト・データ・フュージョン(CDF)」はクラウド上のデータ・プラットフォームで、クラウド電算や末端電算、現場設置型電算向けの既存のITとOT(operational technology、運用技術)のアプリケーションを統合できる。オープンで統一的なモデルを提供して、分析と意思決定を支援する。

 「エイカーBPとコグナイトのロボティクス構想を成功させるカギは、すぐれたハードウェアとソフトウェアを組み合わせることにある。ロボットが収集するデータをCDFに取り込むことで、エイカーBPの技師たちが業務全体を見渡したうえで、データの裏付けがある意思決定を下し、効率と安全性を向上させられるだろう」と、コグナイトのジョン・マーカス・ラーヴィックCEOは述べた。

https://www.businesswire.com/news/home/20200211005255/en/Aker-BP-Cognite-Partner-Explore-Potential-Robotics