Thursday, February 13, 2020 9:04 AM
デンソー、北米工場で人工知能技術を導入
自動車部品製造大手のデンソーは、北米の複数の生産施設の生産性を向上させるために、ドリシュティ・テクノロジーズ(Drishti Technologies)の技術を採用した。
ドリシュティの技術は、人工知能と機械視認(コンピュータ・ヴィジョン)を活用して、工員らが行う手作業の工程をリアルタイムで分析する。作業過程の問題点を特定して解消したり、作業に優先順位をつけて効率を高めたりするのに役立つ。
PRニューズワイヤーによると、両社の今回の提携は、デンソーが生産工程に人工知能を初めて導入した事例の一つだ。デンソーでは、2030年までの長期計画のなかで、新技術の導入を優先課題に掲げている。今回の人工知能導入はその一環と位置づけられている。
ドリシュティの技術は、大量のデータ・セットを生成できるうえ、動画映像で補足されるため、多様性の高いデータを提供できる。生産現場の管理者だけでなく、製品を設計する工学者や組織の管理者にとっても、意思決定の際に参照できる高品質データだ。
「社員と工程にとってよい影響がすでにおよんでいる。工程を効率化すると同時に労働力の価値も高めることが、ドリシュティのような新興企業の最新技術を取り入れる理由だ」と、北米デンソー生産革新センターのラジャ・シェンベカー副社長は話す。
「動きの多い工員らの動作を継続的かつリアルタイムにデジタル化することで、分析による洞察がもたらされ、生産性や効率、品質だけでなく、工員研修に対する取り組みを大幅に向上できる」と、デンソーの工業工学責任者ジョン・リュージュ氏は話す。
ドリシュティがA・T・カーニー(A.T. Kearney)と共同で実施した調査によると、工場作業の72%を作業員が実行している。ロボティクスや産業用モノのインターネット(IIoT=Industrial Internet of Things)が注目されるなかでも、作業員が生産現場で重要な役割りを果たしていることを物語る調査結果だ。
【https://www.prnewswire.com/news-releases/denso-and-drishti-bring-innovation-to-the-production-floor-with-ai-based-action-recognition-technology-301003329.html】