Wednesday, September 28, 2016 10:10 AM
日立エネルギー、マイクログリッドで存在感〜開発資金調達の革新を牽引
日立の北米法人である日立エネルギー・ソリューションズは、マイクログリッド事業モデルを業界会議で解説し、資金調達の革新性において存在感を示した。
同社の事業資金調達責任者ウルス・ギシガー氏は、環境技術とクリーン経済を主題にカリフォルニア州サンタ・クララで開かれた業界会議「ヴァージ(VERGE)」で自社のマイクログリッド事業をめぐる資金調達法について話した。
グリーンビズ誌によると、特有の投資ニーズがある遠隔地向けマイクログリッドと軍事用マイクログリッドを除けば、2015年と2016年に北米で設置されたマイクログリッドの容量の約45%は、電力購入契約(power purchase agreement=PPA)を基本として資金調達されている。
ギシガー氏によると、エネルギー開発事業に対して投融資することが分かっている金融機関は現時点で北米に20社ある。さらに、マイクログリッドを含む北米の電力関連事業計画に対する投融資を慎重ながらも検討する金融機関が60社あるという。
「そのほかに、デット・ファイナンス(銀行からの借り入れや社債発行による借り入れによる資金調達)を手がける企業や保険会社もマイクログリッド市場に参入しつつある」。
さらに、公益会社の関連会社で規制下に置かれていない事業を手がける子会社が、北米のマイクログリッド開発に対する資金を提供するようになっている、と同氏は指摘した。
ただ、現在の資金調達オプションは取り引きコストが高いため、ほとんどの案件が事業開発者と所有者の両方にとって満足とは言えない結果に結び付いている、と同氏は話した。
同氏によると、投融資機関はマイクログリッドのリスク・プロファイルに対してオープンの姿勢を示すようになっているが、過渡期のステップとして、施設リース契約を基本とする資金調達法も有用だ。
また、複数の開発事業を金融商品組み合わせにまとめる手法も重要だと同氏はいう。それによって金融商品組み合わせの売却益を開発業者が保持しながら、財務および法務関連の顧問料を削減できる。
マイクログリッド事業にはさまざまの種類がある。公益会社による設置が増える一方で、資金調達面の革新を率いているのは第三者の所有するマイクログリッドだ。日立は後者の市場で先駆者的な立場を築きつつある。
【https://www.greenbiz.com/article/how-hitachi-forging-business-model-microgrids】