Thursday, September 29, 2016 9:50 AM

ブラックベリー、自社生産からついに撤退〜OSやアプリケーションに集中

 カナダのスマートフォン大手ブラックベリー(BlackBerry)は28日、スマートフォンの自社生産から撤退し、製造を他社に外注することで、ソフトウェアの設計や開発に資源を集中させる方針を打ち出した。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同社のジョン・チェン最高経営責任者(CEO)は、インドネシアの受託製造会社を含む複数の企業と提携し、スマートフォンの開発と製造をアジアの製造業者らに完全委託するとともに、OSのほかセキュリティー技術やモバイル・アプリケーションの開発に注力する方針を声明で明示した。

 ブラックベリーは、リサーチ・イン・モーション(RIM)という社名でかつては知られ、アイフォーン(iPhone)が登場した2007年とアンドロイドOSで走る機種が世界市場を席巻し初めた2008年ころまでスマートフォン市場の第一人者だった。

 ブラックベリーはそれまでの10年間近くに、通信セキュリティーの堅牢さを武器に金融業界や省庁機関、そのほか多数の業界の企業市場で圧倒的地位を確立した。同社は、通信内容暗号化技術のほか、1998年には業界初の双方向データ・メッセンジャーを市場投入して、法人向けスマートフォンの代名詞的存在となった。

 アップルやサムスンが台頭するまで、ブラックベリーは米携帯電話市場の数十パーセントを牛耳っていたが、現在、それは1%未満まで縮小した。

 今回の生産外注発表は投資家らに大歓迎され、ブラックベリーの株価は28日に5%近く跳ね上がり、8.27ドルまで上昇した。全盛期には100ドル以上だった。

http://www.wsj.com/articles/blackberry-outsourcing-handset-business-1475063579