Tuesday, May 26, 2020 10:14 AM

衝突を回避する走行経路を判断する人工知能を開発

 アマゾン・ロボティクス(Amazon Robotics)と南カリフォルニア大学の研究班は、最大1000台の倉庫向け自律走行ロボット(台車)が互いに衝突しない走行経路をみずから見つけて移動できるようにする人工知能を開発し、その研究成果を公開した。

 ベンチャービート誌によると、両者の合同研究班は、自律走行台車がつねに動き回るなかで多数の代行ソフトウェア(エイジェント)が経路を発見する「マルチ・エイジェント経路発見(multi-agent path finding=MAPF)」という技術を応用した。

 MAPFは、さまざまの自動化システムに欠かせない技術で、自動運転車(autonomous vehicle=AV)や自律飛行ドローン、ビデオゲームのキャラクターの制御に使われている。アマゾンは、自社の配送センター群で計20万台以上の可動機械に同技術をすでに使っている。

 同社は、南カリフォルニア大学との共同研究で開発した最新の人工知能技術を倉庫用ロボット向けに応用したい考えだ。

 両者の研究では、一連のエッジ(線)で結ばれた頂点(ノード)を含むグラフとして、MAPF問題をモデル化した。頂点は位置を示し、エッジは、二つの隣り合う位置を結ぶ線を示す。両者のシステムでは、任意の事態において、すべてのエイジェントが隣の位置に動くべきか、現在位置で待つべきかのどちらかをみずから判断して選ぶ能力を実現した。複数のエイジェントが同じ事態において同じ位置をとることを選べば、自律走行ロボットらが衝突する。両者のシステムはそれを回避できるようにした。

 提案されたモデルは、33×46個のマス目に16%の障害物を配した倉庫内部の表現と、37×77個のマス目に10%の障害物を配した物流センター内部の表現によって模擬化された。

 「われわれの技術枠組みは、全体的なグラフとして機能するだけでなく、利用者の定義した頻度を使った再計画も実行し、柔軟な計画を生成する。オンライン化に適しているうえ、演算の無駄を回避できる」と、研究論文の共著者らは説明している。

https://venturebeat.com/2020/05/18/amazons-ai-tool-can-plan-collision-free-paths-for-1000-warehouse-robots/