Friday, October 07, 2016 10:05 AM
自動運転車の影響を受ける業界
自動運転車の実用化が広範な影響を及ぼすことが予想される中で、自動車保険比較サイト「compare.com」のアンドリュー・ローズ最高経営責任者(CEO)が対処を迫られる代表的な業界を挙げた。
ワーズオートによると、ローズ氏が疑問の余地なく筆頭に挙げる自動車業界は、安全上の懸念とサイバーセキュリティをめぐる脅威に技術開発で対処し、量産できるようコストを削減する必要がある。自動運転技術の進化で事故の懸念が大幅に削減されれば、新しい車両構造の開発に道が開かれる。頑丈なスチール製に代わり環境に優しい軽量の車両が一般的になることで、ダミーを使う衝突試験は過去のものになる見通しだ。
自動運転車の発売が決まれば保険業界も真っ先に対処を迫られる。事故の発生率が低下すれば業界は保険料の急激な値下がりに直面する。保険会社としては、保険料の水準を維持するために自賠責保険の上限額を撤廃する対策が考えられる。
自動運転車は自らディーラーのサービスショップへ出向くため、故障時のけん引車サービスも公衆電話と同じく絶滅へと向かいそうだ。車両は所定のディーラーからサービスを受けるようプログラミングされるため、修理工場も経営が立ち行かなく恐れがある。
一方で、米国では公道の65%が劣悪な状況で自動運転車の走行には適さないとされ、道路当局によるインフラの改善が急がれる。自動運転車も路上の深いくぼみなどを発見すれば別ルートへ迂回すると同時に、当局へ問題を報告して補修作業を助けることができる。
自動運転車をめぐるテロ脅威としては例えば、午前8時45分にあらゆる自動運転車が突然左折するようハッキングされてしまえば、一瞬のうちに数百万台が衝突に巻き込まれる。テロとの新たな戦いの場は運転席で、自動車メーカーはサイバーセキュリティの強化へ多大なコストを投じることになる。