Tuesday, January 26, 2021 9:27 AM

IBM、中国基礎研究所を閉鎖へ

 IBMは1月25日、中国基礎研究所(China Research Laboratory=CRL)を閉鎖することを認めた。CRLは、IBMが北京市中関村に約26年前に開設したR&D施設で、米技術大手による中国内R&Dの草分け的存在だ。

 グローバル・タイムズによると、IBMは、中国の顧客にこれまで通り技術やサービスを提供するが、市場の変化に応じて研究&開発を変革させる、と話した。ただ、どのような変革を実行するかについては明らかにされていない。

 実際には、中国技術業界による近年の目覚ましい進化と、米国の議会および政府による対中技術対抗や中国技術排除の強化策を受けて、従来のCRLの役割りが劇的に侵食されたため、とみられる。

 CRLは、IBMが世界で12ヵ所に展開する基礎研究所の一つ。1995年設立のCRLは、全盛期には1000人以上を雇っていた。CRLは、サース(SaaS=software-as-a-service)やパース(PaaS=platform-as-a-service)、自然言語処理人工知能、モノのインターネット(Internet of Things=IoT)、末端電算といったそのときどきの先端技術の開発を主導してきた。現在の中国の技術力の大きな部分はCRLなしでは存在しえなかった。

 クラウド電算の黎明期には、米大手らが中国にクラウド・サービスを提供したが、近年、そういった先進技術分野においてアリババやテンセントらの台頭が著しい。オラクルは、その中国2社に市場を奪われたことを理由に、中国内のR&D施設を2019年に閉鎖し、約900人を解雇した。

https://www.globaltimes.cn/page/202101/1213969.shtml