Thursday, March 11, 2021 3:16 AM
マイクロソフト、三つの垂直クラウドを発表
マイクロソフト(Microsoft)は2月24日、専門的ツール群を求める企業の要望に応えるべく、三つの業界特化型(垂直)クラウド・プラットフォームを発表した。それらの対象業界は、金融と製造、そして非営利業界。「垂直」とは、特定業界の上流から下流に対応した概念を意味する。
マイクロソフトは、クラウド市場最大手のアマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)への対抗力増強の一環として、医療業界向けクラウドを2020年5月に市場投入し、2021年1月には小売業界向けマイクロソフト・クラウドを発表している。小売業界向けの試験版は2021年3月に提供開始される計画も今回明らかにされた。
ベンチャービート誌によると、今回発表された三つの垂直クラウドは、医療と小売業界に続くもので、今後2〜3ヵ月間に市場投入される見通しだ。
一般に、業界特化型と銘打ったクラウド・サービスは販促ねらいの常套句とみられがちだが、マイクロソフトは、業界ごとに異なるツール群を準備している点を強調した。たとえば、業界ごとの「特異なテンプレートやAPI(application programming interface)、追加された業界特化型の各種の標準」がそれぞれのプラットフォームで提供される。
好調に成長するクラウド市場でのクラウド戦争は強まるばかりだ。マイクロソフトは、AWSを追うと同時にグーグル・クラウドの追い上げもかわさなければならない。
カナーリスのデータによると、クラウド基幹システムへの支出は2020年第4四半期に32%増の390億ドルを記録した。「3大」パブリック・クラウド・プロバイダーの最大手AWSは32%の市場占有率をにぎり、2位のマイクロソフト・アジュール(Azure)は約20%を占めた。
アマゾンは、スマート工場(Smart Factory)や医療向けのヘルスレイク(HealthLake)という垂直クラウドをすでに展開している。
かたやグーグル・クラウドは、金融と医療、小売、製造、そしてメディアおよび娯楽向けの垂直クラウドに注力している。マイクロソフトとグーグルの垂直クラウドの標的業界はかなり重複している。
https://venturebeat.com/2021/02/24/microsoft-announces-industry-clouds-for-finance-manufacturing-and-nonprofits/