Monday, March 22, 2021 10:22 AM
EHRデータを機械学習で分析し自殺リスクを予想
ヴァンダービルト大学医学センター(Vanderbilt University Medical Center=VUMC)の研究者らは、機械学習ツールがEHR(electronic health record)データを分析することで自殺未遂リスクを計算し、自殺未遂を減らせる可能性があるという研究結果を報告した。
研究者らは、非精神医学的臨床環境においてどの患者を注意して観察すれば自殺を回避できるかについての研究結果をJAMAネットワーク・オープン(The Journal of the American Medical Association Network Open)に発表した。
ヘルスITアナリティクス誌によると、VUMCの研究者らは、EHRデータを使った機械学習アルゴリズム・モデル「自殺未遂と念慮の可能性(Vanderbilt Suicide Attempt and Ideation Likelihood=VSAIL)」を開発し、VUMCにおいて11ヵ月間にわたって試験運用した。
研究班は、VUMCの患者らを対象にEHRデータをVSAILモデルで解析し、自殺未遂または自殺を考えたことを理由に30日以内に病院に戻ってくるリスクを患者ごとに点数化して、患者たちをそれに応じて8つの群に分けた。
患者らの経過を追跡したところ、高危険に分類された患者のうち23人に一人が自殺を考え、271人に一人が実際に自殺未遂したことがわかった。その結果、それ以外の群に分類された割り合いよりはるかに高い危険性が裏付けられ、アルゴリズム・モデルの計算が大枠で正しいことを示したといえる。
VUMCの生物医学情報学および医学および精神科のコリン・ウォルシュ医学博士准教授によると、「われわれ医療従事者らは、すべての患者の自殺危険性を年中無休で追跡できない」「要注意患者であるにもかかわらず追跡されない場合や、逆に注意不要と思われる患者が自殺を考えたり自殺未遂したりすることもある」。
「われわれが開発したモデルは、どの患者を優先して追跡すべきかを特定するのに寄与する一歩になる」と同氏は述べた。
https://healthitanalytics.com/news/machine-learning-uses-ehr-data-to-predict-suicide-attempt-risk