Thursday, April 08, 2021 10:50 AM
業務用のARとVR、パンデミックでじわり浸透
新型コロナウイルス・パンデミックを受けて、ズーム(Zoom)やマイクロソフト・チームス(Microsoft Teams)といった動画対話ツールが遠隔労働者たちに浸透したあいだに、現場での業務には拡張現実(AR)や仮想現実(VR)のツールが普及し始めた。
通信サービス会社らに通信接続網技術を提供するシエナ(Ciena)のクレイグ・ウィリアムズ最高情報責任者がベンチャービート誌に寄稿した記事によると、同社はパンデミックのあいだに現場作業員向けにARとVRを導入し、その成果を確認した。
ARとVRは好奇心旺盛な消費者をおもな標的市場としたデジタル娯楽技術として始まったが、昨今、業務用市場に急速に普及しつつある。それらの技術は現在、「転換点」にある、とウィリアムズ氏は論じている。ARとVRは、現場作業員の見ているものをその場にいない作業員が一緒に見て、説明したり指示したりするのに非常に有効だ。
ただ、この種の技術を業務用途で活用するには、高速かつ低遅延の高性能通信環境が必須だ。労働安全と事業継続性が重要な状況において、信頼性の低い通信網に頼ることはできない。
自社業務にそれらの技術を使い始めた結果、ニーズを完全に満たすソリューションが現時点では存在しないことがわかった、とウィリアムズ氏は指摘する。入手できるソリューションの多くは軍事用に傾倒している。シエナの業務ニーズを満たすには、さまざまのベンダーのハードウェアとソフトウェアを購入して組み合わせる必要があった。同氏によると、それらの各部をカスタマイズするのに多少の労力を要したが、結果として大きな利点を得た。
現在、シエナでは20人ほどの社員がARやVRの開発に従事している。ヘッドセットは必要に応じて社員に提供されている。ヘッドセット一つあたりの費用はラップトップ型パソコン1台とほぼ同等だ。ハードウェアは単発の出費であることを考えると、熟練作業員を現場に派遣しなくても済むようになることで最終的にはコストを相殺できる、とウィリアム氏は考えている。
現時点で投資すべき重要な点としては利用者体験が挙げられる。ARやVRの導入を検討している会社は、すべての体験をうまくまとめるレイヤーも検討すべきだ、と同氏は述べた。
https://venturebeat.com/2021/03/27/covid-has-moved-us-closer-to-an-industrial-ar-and-vr-revolution/