Wednesday, May 05, 2021 10:55 AM
AWS、金融業界向けデータ分析サービスを開始
アマゾン傘下のクラウド電算サービス最大手アマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)は5月3日、金融業界向けの新たなデータ管理および分析サービスを提供開始した。
銀行や保険、ヘッジ・ファンド、そのほか広範にわたる金融サービス業界では近年、データが成長原動力としての地位を一層強めている。データの種類も量も質も多様化し、構造データから非構造データ、社内外のデータ源、そのほかさまざまのデータまで管理と分析に対応しなければならない範囲は広がるばかりだ。
ベンチャービート誌によると、それらのデータを集約して索引化し、機械学習技術によって分析した結果から洞察を導き出して、決済処理のパターンや顧客のプロファイリング、将来の購買行動予想、そのほかさまざまの発見や判断材料を抽出することは、競争を生き抜きながら成長するのに欠かせない重要な要素となっている。近年、「データは新たな石油」や「データは新たな通貨」と言われるほどだ。
アマゾンが今回発表した新サービス「フィンスペイス(FinSpace)」は、金融サービス会社らがそれらのデータ関連業務に費やす時間を「数ヵ月から数分」に劇的に短縮するのに貢献する。
金融業界は規制対象事業であるため、いくつもの規制や各種の規則に準拠するための手作業の仕事が他業界より多い。また、多くの金融会社は、データの変換と管理を実行するために、オープン・ソースのビッグ・データ分析エンジンであるアパッチ・スパーク(Apache Spark)上に独自の分析エンジンを構築するのに手間暇を取られる。さらに、データ・アクセス制御を定義することで、厳しい規制を順守できるようにするシステムの設計と運用にも時間を取られる。
フィンスペイスはそれらの処理や業務過程を人工知能によって劇的に簡便化する。フィンスペイスはほかのAWSサービス群と同様に従量課金制で、保存および処理されるデータ量や利用者数、演算処理に使われる電算資源の稼働量に応じて価格が決まる。
アマゾンによると、デロイトやリーガル&ジェネラルがフィンスペイスをすでに採用した。
https://venturebeat.com/2021/05/04/aws-launches-finspace-a-data-analytics-service-for-finance-industry/