Tuesday, June 01, 2021 10:16 AM
中国、独自の北斗システムで米GPSに対抗
中国は、「非常に儲かる」人工衛星ナヴィゲーション技術プラットフォームの主要提供国になりつつある。同市場はその誕生以来、米国政府が所有するGPS(Global Positioning System)の独擅場だが、中国独自の位置測位システム「北斗(Beidou)」が同市場を開拓中だ。
CNBCによると、タカ派の民主主義防衛財団(Foundation for Defense of Democracies)で非常勤研究員を務めるクレイグ・シングルトン氏は5月31日、「非常に儲かる同市場において中国が市場占有率を拡大させており」、米国に対する競争力を飛躍的に強めている、と報告した。
「中国が独自のGPSを完成させたことは、世界における影響力をあらためて盤石にするものだ」「西側先進世界からの技術的な独立を宣言するものであり、広範における地政学的な勢力構図を書き換えるものだ」。
シングルトン氏によると、パキスタンやタイを含む世界120ヵ国以上が港湾交通量追跡や救出活動、そのほかの目的で中国の北斗システムをすでに採用している。
北京は、より多くの国々が北斗を採用するよう説得するためにも、強大な一帯一路構想(Belt and Road Initiative)を推進している。
北斗システムは、その整備が2020年6月に完了した。北斗関連の産業群の経済価値は2025年までに1兆元(約1571億ドル)に達すると試算される。
シングルトン氏は、中国が北斗システムを使うことで、たとえば西側の要人を追跡するといったプライバシー侵害および国家安全保障上の脅威になる、と警鐘を鳴らしている。
また、中国と西側世界が武力衝突する場合、これまでであれば米国がGPSを中国に使わせないようにする措置によって中国の行動に打撃をあたえることができたが、中国が米GPSに依存せずにすむようになった現在、中国人民解放軍は各種の武器やミサイルを自由自在に運用できる。
「現時点では、北斗システムは米国のGPSへの脅威にはまだなっていない」、と同氏は取材に答えたが、北斗が今後、利用国をさらに増やすことは確実で、「世界市場がいずれGPSと北斗のあいだで二つに割れるときが来るだろう」と述べた。
https://www.cnbc.com/2021/06/01/tech-war-chinas-beidou-gains-market-share-challenges-us-gps.html