Wednesday, November 24, 2021 11:30 AM

遠隔操作担当者をロボットのなかに瞬間仮想移動

 英国拠点の新興企業サイバーセルヴズ(Cyberselves)は、利用者がロボットのなかに入ったかのような感覚で遠隔操作できるようにするテレプレゼンス技術を開発した。

 ビジネス・ワイヤーによると、遠隔地にいる操作担当者は同技術を使うことで、作業現場のロボットの視点から周囲を見て、音を聞き、物体に触れて触感も得ながらロボットを操作できる。原子力発電所の作業や被災地での救援作業、さらには遠隔医療や宇宙探索に用途を見出す可能性がある。

 同技術は、ANAホールディングスが後援して行われているロボティクス技術コンテスト「ANAアヴァター・エックスプライズ(ANA Avatar XPRIZE)」の最終選考に残っている。

 同コンテストは賞金総額1000万ドルで2018年から行われており、2022年秋に最終選考が行われる。97チームでスタートした同コンテストでは、37チームが準決勝に進出し、最終選考に8ヵ国からの15チームが選ばれた。来年秋の最終選考では総額800万ドルの賞金が出る。

 準決勝では、1)子ども向けのジグソー・パズルを完成させる、2)ワイン・グラスを持ち上げて乾杯する、3)花瓶を持ち上げて触感を確認する、という三つの課題がロボットに課された。

 サイバーセルヴズのテレプレゼンス技術は、ロボットのなかに入ったような感覚をもたらすため、遠隔操作担当者にとって作業しやすいのが特徴だ。

 「最終選考に残れて非常に嬉しい。われわれの技術は、ロボットの遠隔操作を非常に効果的かつシンプルにする。クラウド基盤の通信プラットフォーム『アニマス(Animus)』で信号を送信することで、欧州にいる操作担当者が米国にあるロボットをほぼ遅延なく操作できる」と、同社の共同設立者兼最高技術責任者ダニエル・カミレリ氏は説明した。

https://www.businesswire.com/news/home/20211123005783/en/Cyberselves-Tech-Lets-Humans-Teleport-Into-Robots-on-the-Other-Side-of-the-World

https://www.xprize.org/prizes/avatar/competing-teams