Thursday, May 05, 2022 11:45 AM

グーグル・クラウドとSAP、提携を大幅拡大

 グーグル(Google)とSAPは5月4日、SAPの中核ERP(enterprise resource planning)製品「S/4ハナ・クラウド(S/4HANA Cloud)」とグーグル・ワークスペイス(Google Workspace)を統合する、と発表した。

 両社は長年にわたって提携関係にある。グーグル・ワークスペイスを走らせるグーグル・クラウドは、競合他社と同様に、SAPが顧客会社らのクラウド移行を支援および促進するライズ・ウィズSAP(RISE with SAP)の戦略的クラウド協力会社でもある。

 テッククランチ誌によると、SAPの顧客会社らは、両社の提携拡大によって、S/4ハナのデータにアクセスしてグーグル・ドックス(Google Docs)やシーツ(Sheets)で共同作業できるようになる。それと同時に、S/4ハナ・クラウドとグーグル・ワークスペイスのあいだでデータ移管(外部への出力と取り込み)を継ぎ目なしで実行できるようになる。

 換言すれば、S/4ハナ・クラウドとグーグル・ワークスペイスの統合によってそれぞれがたがいのクラウド環境でクラウド・ネイティブの機能として動作するようになる、といえる。

 「こんにちのデータはどんな表計算ソフトウェアにもすでに出力可能だが、それはハード・ドライブや、グーグル・ドライブといったクラウド・ストレージにある単なる書類に過ぎない」とフィリップ・ハーツィック上席副社長兼インテリジェント・エンタープライズ&クロス・アーキテクチャー担当統括責任者は話した。

 「小さな会社であればそれでもいいが、世界中の大企業では、そういった書類をもっと構造化する必要がある」「だからこそS/4ハナ・クラウドとグーグル・クラウドの統合が必要であり非常に有意義だ」と同氏は述べた。

 その背景には、膨大な量のデータが社内で継続的に蓄積するにもかかわらず、それらを活用しきれていない場合が多く、また、データを活用可能にするには生データを構造化する必要があり、その需要がこれからさらに強まるという動向がある。

https://techcrunch.com/2022/05/04/google-cloud-and-sap-launch-a-native-integration-between-workspace-and-s-4hana-cloud/