Wednesday, September 28, 2022 11:50 AM

キャミ・ヴィジョン、転倒即応ソリューションの一般提供を開始

 シリコン・バレー新興企業のキャミ・ヴィジョン(Kami Vision)は9月27日、人工知能基盤の機械視認(computer vision)技術を応用した転倒防止および検知ソリューション「キャミケア(KamiCare)」の一般提供開始を発表した。

 ビジネス・ワイヤーによると、キャミケアは、特に高齢者の転倒を検知および防止することで、けがと入院を減らすことを支援する。これまでに12以上の高齢者施設や認知障害介護サービスで採用され、高評価を得ている。

 キャミケアは、利用者の生活空間に設置する複数の機械視認カメラによって身体の30ヵ所の動きを追跡することで、転倒といった急激な位置変化や体勢変化を検知する。人工知能が転倒を自動認識し、年中無休で待機する専門班が検知内容と通知内容を分析および検証する。

 機械視認技術と専門家たちによる分析を組み合わて状況判断の精度を上げ、90秒以内にSMS(short message service=携帯電話のテキスト・メッセージング機能)やプッシュ通知(モバイル・アプリケーションの通知機能)、電話、電子メールで介護者らに通知する。判断が困難な場合でも、カメラによる動画を最終的には確認できる。

 試験運用では、1件の転倒も見逃すことなく99.9%の精度で数十件の転倒を特定した。また、迅速な通知と高精度によって、転倒が原因の救急搬送を80%減らし、将来の転倒リスクを60%低下させた。高齢者の転倒は、重症化しやすく、入院の可能性も高く、けがが原因で死にいたる場合すらある。

 ローリー・オーロフ著「高齢向け技術2022年市場概要(Technology for Aging 2022 Market Overview)」によると、米国では65歳以上の3600万人が毎年転倒し、転倒による医療コストは年間500億ドルにのぼると見積もられる。

 同著書によると、「転倒リスクを軽減することは、高齢者の健康管理にとってますます重要となっている」「最近では、レーダーや人工知能を使うことで、身体装着端末なしでも転倒を検知する新しい動きが活発化している」。

 米国勢調査局によると、65歳以上の米国人口は、2060年までに2倍の9800万人以上に増えると予想される。さらに、寿命はこれからさらに長くなり、現在65歳の人の4人に一人は90歳以上まで生きると予想される。そのため、転倒リクスを技術応用によって回避または防止する需要は非常に高まる可能性がある。

https://www.businesswire.com/news/home/20220926005589/en/Kami-Vision%E2%80%99s-Fall-Management-Solution-KamiCare-Expands-National-Access-Through-General-Availability