Monday, October 03, 2022 11:50 AM

マジック・リープ、法人向けARヘッドセットの新型を発売

 マジック・リープ(Magic Leap)は9月30日、法人向けの拡張現実(AR)ヘッドセット「マジック・リープ2」を米国と一部の外国市場で発売した。米国での小売価格は3299ドルから。

 ベンチャービート誌によると、マジック・リープ2は、業務用の没入型用途向けに有用性や使い心地の良さ、継続的使用に重点を置いて設計されている。前機種であるマジック・リープ1の2295ドルから大きく値上がりしたが、重さは20%軽く、体積は50%小さくなり、装着時の負担が大幅に解消された、と同社は説明した。

 マジック・リープ2は、現在販売されている競合製品群より大きな視野角を実現した。利用者は、ダイナミック・ディミングによって、自然光といった明るい環境でもより効果的に画像の立体感を得られる。

 マジック・リープ2を試験運用した大型店舗小売チェーン大手ロウズ(Lowe’s)は先日、大量の商品が保管される倉庫内で商品をいかに認識するかやそのほかの用法を倉庫作業員らに実演した。

 ロウズはさらに、小売店内の従業員たちがマジック・リープ2によって店内デジタル・コンテントを見ることで、たとえば店内配置再設計や在庫補充作業、リアルタイムでの共同作業といった仕事を効率化している。店員らはその結果、よりくわしい情報にアクセスでき、たとえば、はしごを登ったり物理的表示札を探したりする必要がなくなり、作業量と時間の節減を実現した。

 マジック・リープ2はまた、エヌビディアの法人向けメタヴァース「オムニヴァース(Omniverse)」プラットフォームとも連携する。会社らはオムニヴァースで事業施設のデジタル・ツインを構築し、マジック・リープ2とデジタル・ツインを併用できる。

 マジック・リープ2には3機種(Base、Developer Pro、Enterprise)ある。それぞれの価格は、ベースが3299ドルから、デヴェロッパー・プロが4099ドルから、そしてエンタープライズが4999ドルから。

 マジック・リープのペギー・ジョンソンCEOは、マジック・リープ2を試験運用したPBCリニヤー(PBC Linear)での成果について、新人育成(研修)にかかる訓練時間を80%以上短縮し、生産工程でのやり直しを20%削減した、と報告した。

 マジック・リープ2は、米国のほか、カナダと英国、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェイ、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、サウジアラビアで発売された。また、日本とシンガポールでも2022年末に発売される予定だ。

https://venturebeat.com/game-development/magic-leap-2-launches-commercially-in-the-u-s-for-3299/