Thursday, November 03, 2022 11:57 AM

広告大手IPG、ツイッターへの広告支出を見合わせるよう顧客に助言

 広告代理店大手のインターパブリック・グループ(Interpublic Group=IPG)は、イーロン・マスク氏がツイッター(Twitter)を440億ドルで買収し、ツイッターのCEOと唯一の取締役に就任したことを受けて、「少なくとも1週間はツイッターでのすべての有料広告の出稿を停止するよう」顧客会社らに進言している。

 CNBCによると、IPGは11月2日、ツイッターの信頼性と安全性に関する見通しが明確になるまで、さらには、マスク氏が言うようにツイッターと広告主らが共存共栄し、「自由奔放な地獄絵図」に落ちぶれないことを確認できるまで、有料広告をツイッターに出すことを一時停止するよう顧客会社らに伝えた、と同件にくわしい匿名希望の人物が話した。

 マスク氏は、ツイッターの旧経営陣を一掃したほか、偽アカウント防止策としてツイッター利用者身元確認済みアカウントに付与する認証済みバッジ「ツイッター・ブルー(Twitter Blue)」を有料化し、特典や継続課金型サービスを含め月額8ドルを課金する考えや、大規模人員削減を検討している。

 そのため、ツイッターが広告媒体として今後どのように変わるのか見きわめる必要が出てきたことから、広告主らはツイッターへの広告出稿を見直している。米自動車製造大手GMは、それを見きわめるために有料広告の出稿をいったん停止する方針を10月31日に打ち出している。

 IPGのおもな顧客会社には、CVSファーマシーや任天堂、ユニリーバがある。それらの会社は取材にまだ応じていない。

 NPRが報じたネットワーク・コンテイジョン研究所(Network Contagion Research Institute)とデータマイナー(Dataminr)の調査によると、マスク氏が10月28日にツイッター買収手続きを完了するまで、人種差別や憎悪ツイートが激増した。それによると、ほかのソーシャル・メディアの利用者らが罵詈雑言や誹謗中傷をツイッターに投稿するよう仲間を煽り、そういった劣化を受けて、NBAのスター選手レブロン・ジェイムスといった著名利用者らがツイッターを使わないよう呼びかけ、ツイッターの利用者離れが加速した。

 ツイッターの安全性責任者ヨエル・ロス氏は、その事態に同社がどのように対処すべきか議論する複数のスレッドをツイッターに投稿した。同氏は11月1日、「悪質投稿削除について測定可能の進歩を遂げ、1500以上のアカウントを削除し、それらのコンテントの表示をほぼゼロにした」とツイートした。

https://www.cnbc.com/2022/11/01/ad-giant-ipg-advises-brands-to-pause-twitter-spending.html