Friday, November 04, 2022 11:52 AM
グーグル、洪水予想と山火事追跡のアプリケーションを拡充
グーグル(Google)は11月2日、洪水予想と山火事追跡サービスの大幅な拡張を発表した。
ヴァージ誌によると、同社は、フラッド・ハブ(Flood Hub)と呼ばれる洪水予想ツールを全世界で提供開始し、20ヵ国の洪水予想を統合した。同社はまた、米国で試験的に実施したのちさらに数ヵ国で改良した山火事追跡サービスの機能と提供対象を大幅に拡充する。
国連が先日公表した調査報告書によると、世界の半数で洪水や自然火災といった災害に対する十分な早期警報システムが欠如している。避難するのに必要な時間を確保するための技術の不足または行き渡っていない実情を明示するものだ。特に、気候変動によって洪水や火災が以前より深刻化していることから、グーグルの両サービスはその溝を埋めることが期待される。
同社は、インドのパトナ地方で人工知能を使って洪水を予想する事業を2018年に開始した。同事業は、2020年にインド全体とバングラデシュの一部に拡大された。グーグルは同事業のもと、2021年までに両国において2300万人に洪水の通知を配信した。同サービスは今後、アフリカの15ヵ国をはじめ、アジアと南米で追加される3ヵ国に拡大される。
フラッド・ハブの警報通知は、アンドロイド端末利用者と、グーグル検索アプリケーションが実装されているすべてのスマートフォンに送信される。
11月2日に公開されたフラッド・ハブは、洪水が起きやすい場所を自分で調べられるようにする双方向デジタル地図だ。地図の特定部分を拡大すると、洪水危険水準を色別に識別するピンを見ることができる。赤は例外的な洪水が起きる可能性の高い場所を意味し、黄色は洪水発生の警告、青緑は正常な状態を示す。
同社は、米国内の利用者を対象に、山火事の境界線をほぼリアルタイムで表示する地図機能を2020年に提供し始めた。2021年には、世界的に展開し始めた同地図に山火事危険度表示層を追加した。
同社はこれまで、米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration=NOAA)とNASAの人工衛星からのデータに頼ってきた。しかし、今回、機械学習を用いて山火事の早期検知と監視(追跡)の機能を大幅に強化した。追跡機能は、米国とメキシコ、カナダ、オーストラリアの一部で利用可能だ。
https://www.theverge.com/2022/11/2/23434777/google-wildfire-flood-tracking-expands-floodhub-app