Tuesday, November 15, 2022 11:50 AM
エヌビディア、オムニヴァースを科学研究分野に拡大
エヌビディア(Nvidia)は11月14日、三次元(3D)設計のためのプラットフォーム「オムニヴァース(Ominiverse)」を、高性能電算(high performance computing=HPC)システムで実行される科学研究用途に拡大すると発表した。
ベンチャービート誌によると、オムニヴァースの拡大は、これまでさまざまのモデルや装置に存在してきたデータを統合する研究分野のデジタル・ツインをサポートする。エヌビディアは、娯楽や工業、社会基盤、ロボティクス、自動運転、医薬といったさまざまの用途にオムニヴァースを拡大しつつある。
オムニヴァースは、特定目的のコネクターを使って、多数のアプリケーションから取得するさまざまの形式の三次元データをその場で変換および整合させることができる。そのため、一つのツールや検知器でデータに変更があると、それがほかのツールにも反映される。
科学研究分野では、核融合炉の模擬化から、細胞の相互作用や天体の動きの模擬化まで、多種多様の目的および用途にオムニヴァースを使っている。現時点では、異なるツールからのデータを変換および調整して三次元表現を作成するために多大な時間がかかっている。エヌビディアは、USD(Universal Scene Description)フォーマットを使って、その過程を自動化しようとしている。
「USDフォーマットを使うことで統一的な標準化が可能となり、それを使ってさまざまの型のデータを一つの複雑なモデルで表現できるようになる」と、同社のディオン・ハリス製品管理責任者は説明した。その結果、多種多様かつ膨大な量のデータを必要とするデジタル・ツインの構築と運用が大幅に簡便化される。
オムニヴァースは今後、エヌビディアA100およびH100テンサー・コア(Tensor Core)GPU(graphics processing unit)で動作するシステム上の視覚化ツールに接続できるようになる。また、同社のOVXおよびオムニヴァース・クラウドを使っている大規模のデジタル・ツインをサポートする。
同社はさらに、ホロスキャン(Holocsan)のサポートを医療分野以外にも拡大する計画だ。C++とパイソンの新しいAPI(application programming interface)を追加して、検知器データをホロスキャンのために処理するワークフローを容易にする。
多数のツールにわたるデータを処理するワークフローでは、転送遅延をいかに抑えるかが大きな課題になる。A100およびH100に対応したことで、大型モデルを走らせる際の遅延を抑えることができる。
https://venturebeat.com/ai/nvidia-omniverse-to-support-scientific-digital-twins/