Wednesday, March 08, 2023 11:50 AM

セールスフォース、オープンAIと提携し生成人工知能を導入

 セールスフォース(Salesforce)は3月7日、チャットGPTの開発で一躍有名になったオープンAIと新たな提携関係を結び、生成人工知能の機能を自社の人工知能プラットフォーム「アインシュタインAI(Einstein AI)」に統合したと発表した。

 ベンチャービート誌によると、2016年に市場投入されたアインシュタインAI(Einstein AI)は、販促や販売といった業務過程に人工知能技術をもたらすことで、顧客関係管理システムの機能を向上する。同社は、そのプラットフォームにオープンAIの生成人工知能を組み込むことで、新機能を追加した。

 2020年時点で、アインシュタインAIを介して毎日800億件以上の予想を提供している、とセールスフォースは説明していた。

 同社はまた、自社開発の生成人工知能機能群も過去数ヵ月のあいだに導入した。それらのなかには、コードを開発するための「コードジェン(CodeGen)」や、テキストを要約するための「CTRLサム(CTRLsum)」がある。

 セールスフォースとオープンAIによる今回の提携では、アインシュタインAIに「アインシュタインGPT」サービスが追加された。新機能は、コンテントを自動生成し、利用者らが電子メールへの返信や販促のメッセージを作成する過程を大幅に簡便化する。新機能はまた、顧客向けの使用方法説明文も自動生成する。

 セールスフォースはそのほか、生成人工知能の開発を手がける新興企業らへのベンチャー・キャピタル投資を積極化するために、投資部門セールスフォース・ベンチャース(Salesforce Ventures)を通じて2億5000万ドルの投資基金を立ち上げたことも発表した。

 「生成人工知能は、業務目的の機能拡充に大きく貢献していくと思う」「アインシュタインGPTは、当社独自の人工知能モデルと、社外で開発され高い実績を持つ生成人工知能を組み合わせたものだ」と、セールスフォースのクララ・シー統括本部長は話している。

 アインシュタインGPTは、自然言語処理の要素を組み合わせて、利用者らが達成したいことを理解し、その任務遂行を支援する。オープンAIの大規模言語モデルにセールスフォース独自の層を重ねている、とセールスフォースは説明した。

 アインシュタインGPTではまた、作業過程の一部として人間の専門家らの見識や知識、洞察を取り入れることもできる。テキストの生成前や配信前にそれらの専門家らがフィードバックを提供できるようになっている。

https://venturebeat.com/ai/einstein-ai-was-good-but-salesforce-claims-einstein-gpt-is-even-better/