Thursday, May 11, 2023 11:50 AM

アマゾン、人工知能基盤の家庭用ロボットを限定発売

 アマゾン(Amazon)は先日、人工知能を組み込んだ家庭用ロボット「アストロ(Astro)」の販売を開始した。

 フォーブス誌およびビジネス・インサイダー誌によると、同社は、「よりインテリジェントで、より便利、そして会話しやすい消費者向けロボット」としてアストロを開発した。アマゾン社内で「バーナム(Burnham)」というコード名で呼ばれたアストロ開発は、同社が自社製品群に人工知能を組み込む直近の事例だ。

 アストロは、利用者との会話のほか、たとえば料理用ストーブの火がつきっぱなしになっていたり、だれかが転倒したり、そのほかさまざまの異変を検出すると所有者に即時通知する。所有者の指示によって911(日本の110番に相当)に通報することもできる。

 機械視認や検知技術、末端電算、人工知能ソフトウェアをロボットに搭載することで実現する判断力や認識力、実行力を高水準で可能にするのがアストロだ。

 アマゾンの内部文書によると、アストロは従来の家庭用ロボットを一気に飛躍させる革新性と機能性をそなえた製品になる、と同社では期待している。単なる話し相手ではなく、危険の深刻化を防ぎ、異常への即応や安全確認を含め、所有者の役に立つ機能性がアストロの武器だ。

 約2年前に開発が始まったアストロはこのほど、その「初日版(Day 1 Editions)」の発売にこぎつけた。初日版は、招待状によってのみ特定消費者らが購入できる限定版だ。同社は、先進的な技術製品を発売する際にそういった手法をとる。

 アストロは、利用者の留守中に住宅内の様子を撮影して利用者が遠隔から確認できるようにするほか、利用者の日々の習慣を学習し、たとえば家事を知らせるといった利便性をもたらす。一緒に暮らす人たちの顔や住宅内の間取りも学習し、家庭と家に溶け込む能力もそなえる。

 アストロが利用者にもたらす機能のなかでもっとも重要とみられるのが緊急事態支援だ。アマゾンは、アストロに年中無休でアクセスできるため、所有者からの要請に応じて、アレクサ・トゥギャザー(Alexa Together)という支援機能と組み合わせて、遠隔介護や緊急時での即応を支援する。そのため、医療業界や介護サービス業界では、患者の容態管理にアストロを採用する動きもある。

 アストロの一般小売価格は1449.99ドルだが、初日版へのアクセスに招待された限定消費者らは999.99ドルで購入できる。

https://www.forbes.com/sites/saibala/2023/05/09/the-future-is-here-amazon-is-now-selling-astro-an-ai-driven-household-robot/?sh=59c51ec62e1a