Wednesday, July 12, 2023 11:25 AM
アンスローピック、生成人工知能チャットボットの新版を一般公開
生成人工知能を開発する新興企業アンスローピック(Anthropic)は7月11日、新たな人工知能チャットボットを公開した。同社は、マイクロソフトが巨額を投資するオープンAI(OpenAI)の競合社として台頭している。
生成人工知能の分野では、チャットGPTで知られるオープンAIが先行し、マイクロソフトに対抗するグーグルが独自の生成人工知能チャットボット「バード(Bard)」を発表してオープンAIに挑戦している。そのほか数々の新興企業も対抗製品を発表しており、開発競争がすでに激化している。
CNBCによると、その一つとして有望視されるのがアンスローピックだ。同社は、2回の資金調達ラウンドですでに7億5000万ドルを集めている。2回目の資金調達から数ヵ月後に発表されたのが、今回のクロード2(Claude 2)だ。
アンスローピックは、オープンAIの元幹部らによって2021年に設立され、グーグルやセールスフォース、ズームを含む技術大手らから投資を獲得した。初代クロードは一般消費者に公開されていないため、クロード2が一般公開されたアンスローピック初のチャットボットだ。
共同創設者のダリオ・アモデイCEOとデニエラ・アモデイ社長によると、クロード2は、過去2ヵ月間にわたって、スラックやノーション、クオラといった新興企業らで試験運用された。アンスローピックはその間、クロード2へのアクセスを希望する35万人以上の待機登録者を集めた。
ダリオ・アモデイ氏とデニエラ・アモデイ氏は兄妹だ。
クロード2は、米国と英国の利用者にまず提供され、その後の数ヵ月に各国で順次公開される予定だ。
オープンAIがチャットGPTを2022年秋に公開して以来、生成人工知能チャットボットへの投資は急増している。誤情報や捏造、偏見といった懸念を指摘する声も強いが、旅行サイトや学校、医療業界、デジタル広告の分野で急速に普及している。
アモデイCEOによると、クロード2は、約7万5000語までの文章を要約する能力がある。チャットGPTが約3000語の要約に対応することを考えると、クロード2の能力は劇的に高い。
アンスローピックによると、クロード2は、司法試験の多肢選択問題で正解率76.5%という高得点を記録し、初代版の73%から向上した。パイソンのコーディング試験では71%の正解率で、前版の56%から上昇した。そのほか、「無害の応答」を返す能力が前版より2倍すぐれ、生成人工知能チャットボットのいわゆる「幻覚」問題(誤情報や捏造情報を断言して提示する現象)を軽減する。
ただ、アモデイCEOによると、「幻覚を100%回避できる言語モデルは存在しない」「クロード2も例外ではない」と述べた。
https://www.cnbc.com/2023/07/11/anthropic-an-openai-rival-opens-claude-2-ai-chatbot-to-the-public.html