Friday, July 14, 2023 11:50 AM
MLBのスカウトら、アイフォーンと人工知能で逸材発掘
大リーグ機構(MLB)のスカウト担当者たちはこれまで、将来有望の高校生や大学生の選手たちの潜在性を見きわめるのに、統計と経験に依存してきた。しかし、スカウト担当者らは昨今、アイフォーンと人工知能を活用して将来性やケガまたは故障のリスクを分析している。
9トゥ5マック誌によると、スカウトたちが使っているシステムは、二つのアイフォーン・カメラを使って選手の動きを撮影し、人工知能でそれらを分析することで、プロとして通用する可能性やケガに悩まされるリスクをはじき出す。
ウォール・ストリート・ジャーナルでも最近、MLBが生体構造分析新興企業のアップリフト・ラブス(Uplift Labs)と提携したことを報じた。アップリフトのシステムは、アイフォーンのカメラと人工知能を活用する。
そういった動作分析システムは「運動幾何学」と呼ばれ、運動物理学の一分野に位置づけられる。位置や速度、加速度といった直接測定可能データを幾何学と組み合わせることで、スカウトたちが直接観測できないデータを割り出すものだ。
投手であればボールの回転数、打者であれば打つタイミングは測定可能のデータだ。運動学的順序付け(kinematic sequencing)では通常、選手の身体に動作検知器群(マーカー)を取りつける必要があるが、コスト高や身体動作への影響、研究施設での利用に限定されるといった難点がある。
そこで登場するのが、アイフォーンと人工知能だ。動作データを集めるのにアイフォーンのカメラを使うことで、選手に影響することなくデータを集め、動作データや画像を人工知能で分析することで、運動学的順序付けを実行できる。
実験室ではなく、練習場での通常の動作を分析対象とすることが決定的に重要であるため、アップリフトのようなマーカー不要かつカメラ・ベースドの技術が効果を発揮する。
ケガのリスクについてはやや複雑だ。ケガには、予想も予防もできない種類がある一方で、経年や蓄積によるケガまたは故障の種類もある。アイフォーン・カメラと人工知能は、後者の可能性を予想するのに役立つ。たとえば、投球時の腕の開き(肘の開き)が強すぎる場合、肘に過負荷がかかる可能性があるため、近い将来に肘を壊す確率が高いと判断できる。
https://9to5mac.com/2023/06/28/major-league-baseball-scouts/