Wednesday, October 11, 2023 7:04 AM
ニコラ、燃料電池トラックブランドを本格始動
電動トラック開発のニコラ(Nikola、アリゾナ州)はこのほど、最新設備の整ったアリゾナ州クーリッジの製造施設で、「HYLA」ブランドによる水素燃料電池車の商業化を祝う式典を行なった。
エレクトリック・カーズ・リポートによると、ニコラの燃料電池トラックは、商業的に入手可能な無公害のクラス8(大型)トラックの中でも最高水準の最大500マイルの航続距離と、わずか20分という燃料補給時間が特徴で、ドレージやインターモーダル、都市圏のフルトラック輸送や小口輸送、一部の特殊な運搬まで多目的な用途が期待されている。
ニコラはすでに23の顧客から223台の燃料電池トラックを受注しており、顧客にはJ・B・ハント、AJRトラッキング、ビアジ・ブラザーズ、TTSIなどの大手フリート事業者が含まれる。
クーリッジの製造施設は、燃料電池トラックと電動トラックの両方を製造できる多目的な混合型生産ラインにより、3交代制で年間約2400台のトラックを生産する準備が整った。燃料電池パワーモジュール組立ラインも、10〜12月期には完成する予定だ。
生産規模の確立に加え、州や連邦政府による最新の優遇措置によってニコラ車の購入は経済的にもより現実的になっている。ニコラのトラックは、カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)のハイブリッド・ゼロエミッション・トラック・バス・バウチャー・インセンティブ制度の対象で、1台当たり12万ドルから最高28万8000ドルの奨励金を受けられる。
さらに、加州で最近再開された革新的小型eフリート制度では、小規模フリートに対し、1台当たり24万ドルから最高40万8000ドルのインセンティブが提供される。
また、ニューヨークのトラックバウチャー奨励金制度、カナダの中型・大型ゼロ・エミッション車制度(iMHZEV)、ブリティッシュコロンビア州のクリーンBCゴー・エレクトリック・リベート(iMHZEV連邦奨励金と併用可)からも、ニコラの大型無公害トラックは追加インセンティブを受けられる。
ニコラの顧客は、米インフレ抑制法の成立により、連邦政府から1台当たり4万ドルのクリーン商用車税額控除も受けられる。