Thursday, November 02, 2023 11:54 AM
マイクロソフト、「オフィス」向け人工知能ツールを販売開始
マイクロソフト(Microsoft)は11月1日、法人向け「オフィス」アプリケーション・サブスクリプションのための生成人工知能追加機能「マイクロソフト365コーパイロット(Microsoft 365 Copilot)」の販売を開始した。同社はそれによって、次の成長周期での増収機会を確保したといえる。
CNBCによると、ワードやエクセル、そのほかのオフィス・アプリケーション群に含まれるコーパイロット機能の利用料金は、月額一人あたり30ドルだ。パイパー・サンドラー(Piper Sandler)では、マイクロソフト365コーパイロットが2026年までに、年商100億ドルをもたらす事業部門に成長する可能性があると予想する。
各社の従業員らは、コーパイロットを使うことで、たとえば、平易な言葉で指示するだけで文章や合成画像を簡単に生成でき、作業時間を短縮できる。たとえば、販促担当者の場合、意図する内容でのコンテント作成を自然言語で指示することで、コーパイロットが生成した文章や画像を得て、販促材料をそこから仕上げていくことができる。
法人向け生産性アプリケーション市場では、グーグルがマイクロソフトから市場を奪おうとしているが、マイクロソフトは圧倒的優位を維持している。マイクロソフトは、その立場を最大限にてこ利用するためにも、生成人工知能追加機能をオフィス利用会社らに提供する。
それに対しグーグルは、ワークスペイス(Workspace)のサブスクリプション向けに生成人工知能機能のデュエットAI(Duet AI)を法人向けに販売し、マイクロソフト・コーパイロットに対抗している。
パイパー・サンドラーの予想モデルによると、オフィス・サブスクリプション利用会社らの18%がコーパイロットを使うと見込まれる。その予想はやや楽観的かもしれない。
マイクロソフトは、コーパイロット計画を3月に発表したあと、まずは大企業向けに提供する方針を9月に明らかにした。同社のサティア・ナデラCEOは先日、フォーチュン100社の約40%が、5月に試験提供された招待制早期利用制度によってコーパイロットを使っていた、と報告した。そのなかにはKPMGやメイヨー・クリニック、サンコープ、ビザが含まれる。
調査会社ガートナーのジェイソン・ウォン分析家は、コーパイロットのようなツールの普及について、「2~3年以内に20%に達するのが妥当な予想だ」という見方を示した。悪影響がないことを確認しながら導入する職場が多いと見込まれるため、一気に普及することはない、とウォン氏はみている。
https://www.cnbc.com/2023/11/01/microsoft-365-copilot-becomes-generally-available.html