Tuesday, November 14, 2023 4:06 AM

米国内の技術労働者の年俸、過去5年間で最低に

 雇用市場の混乱とインフレーションが続くなか、米国の技術労働者の給与が下がっていることが最新のデータで明らかになった。

 ベンチャービート誌によると、ハイヤード(Hired)の調査報告書「2023年技術職給与の実態(2023 State of Tech Salaries)」は、米技術職給与データにインフレーション調整を加味した結果、ことしの給与水準が過去5年間で最低に落ち込んでいると報告した。

 データ科学者や人工知能関連の工学者といった一部の技術職の給与が上昇しているというニュースは近年に何度も報じられてきたが、全般的には職種によって事情が大きく異なる。

 1300人以上の技術職を対象にハイヤードが実施した調査によると、技術者らの平均給与(年俸)は現在、15万8000ドル(インフレーション調整前、米国の知識労働者の平均のほぼ2倍)で推移している。技術業界における一時解雇や新規採用凍結、物価上昇、生成人工知能の爆発的影響が重なり、給与は全体的には低迷している。

 各都市の生活費やインフレーションの調整を施すと、2019年の出社勤務技術職年俸が14万6000万ドルだったのに対し2023年は12万9000ドル、2019の遠隔勤務では13万9000だったのに対し、2023年には13万4000ドルに低下した。

 同調査では、技術労働者の54%が物価上昇のわりに給与は上がっていないと回答した。2022年と比較すると、米技術職の遠隔労働者の給与は6%下がり、出社労働者の給与は9%下がっている。

 多くの雇用主は、サンフランシスコやニューヨーク市といった高生活費市場での技術者求人数を減らしている。その一方で、低生活費市場では2023年上半期の技術者募集数が4倍に増えている。

 ハイヤードによると、物価上昇に加えて都市別の生活費も考慮すると、ヒューストンやアトランタ、フィラデルフィア、フェニックスの技術労働者らは、サンフランシスコでの同じ技術職の労働者よりも年間4万ドルも高い賃金が提示されている。

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