Friday, December 15, 2023 11:52 AM

インテル、新型の人工知能チップ「ガウディ3」を発表

 インテル(Intel)は12月14日、生成人工知能ソフトウェアを走らせるための人工知能チップ「ガウディ3(Gaudi3)」を含む新型チップ群を発表した。

 CNBCによると、2024年に発売されるガウディ3は、人工知能モデルを駆動するために大量の電力を必要とするエヌビディア(Nvidia)製やAMD製の高性能チップと競合することになる。

 オープンAI(OpenAI)のチャットGPT(ChatGPT)に代表される生成人工知能モデル群はおもに、クラウド電算システムに使われるエヌビディア製GPU(graphics processing unit)によって稼働する。エヌビディア株が2023年初めから230%近くも上昇した一方で、インテル株が68%の上昇にとどまっている最大の理由はその点にある。

 インテルは、ガウディ3に関する詳細を明らかにしていないが、エヌビディアのH100やAMDのMI300Xに対抗しうる第三の選択肢としてインテルが満を持して市場投入する人工知能チップと位置づけられる。人工知能チップ市場では、エヌビディアのGPUが席巻しており、AMDが近年に追い上げている。インテルはこれまで蚊帳の外の状況を強いられている。ガウディ3はそういった圧倒的劣勢を打破するチップとして開発された。

 ガウディ3を設計したのは、インテルが2019年に買収したハバナ・ラブス(Habana Labs)というチップ開発会社だ。ハバナ・ラブスはインテルに買収されて以来、ガウディ・チップの開発を担当している。

 同社はガウディ3の発表と同時に新型のコア・ウルトラ・プロセッサーも発表した。コア・ウルトラは人工知能パソコンの頭脳になる、とインテルは位置づけている。

 インテルのパット・ゲルシンガーCEOは、「人工知能パソコン(AI PC)が2024年の主役になるとわれわれは考えている」とニューヨークで開いた発表会で話した。パソコン向けプロセッサー市場では依然として強いインテルは、人工知能内臓のパソコンがこれから主流になるという予想のもと、人工知能チップ市場での巻き返しをねらっている。

 同社はさらに、サーバー用チップ「ジーオン(Xeon)」の新型である第5世代も発表した。コア・ウルトラもジーオン第5世代も、人工知能ソフトウェアをより速く走らせるために使われるNPU(neural processing unit)を内蔵する。

 NPUの台頭は、AMDやクアルコムを含むプロセッサー・メーカーらが製品ラインの方向性を見直し、人工知能モデルが自社チップの需要増につながる可能性を投資家らに示す最新の兆候といえる。

https://www.cnbc.com/2023/12/14/intel-unveils-gaudi3-ai-chip-to-compete-with-nvidia-and-amd.html