Tuesday, May 07, 2024 7:22 AM

VW・ホンダの新ブランド戦略にディーラー憤慨

 VWやホンダがEVの新しいブランドをディーラーを通さずに直接、販売する可能性を提示したため、ディーラー側が強く反発している。

 インサイドEVsによると、テスラ、リビアン、ルシッドといった新興EVメーカーはディーラー網を持たず直接、車を販売し、利益率を高めている。

 VWも22年半ば、米国のオフロード車ブランドだった「Scout(スカウト)」をEV専門で復活させるにあたり、VWブランドから独立して管理する計画を打ち出した。これは、既存のディーラーネットワークがスカウト製品に対する販売権を失うことを意味する。製品には新規顧客を獲得しやすいトラックも含まれる。

 同年末には、ソニー・ホンダモビリティ(SHM)がEVブランド「AFEELA(アフィーラ)」について、既存のディーラー網を活用して販売するとは限らないと表明した。まだ確定ではないが、排除の可能性にディーラー側は強く抵抗している。北米の100を超える新車ディーラー協会の幹部で作るATAE(Automotive Trade Association Executives)は、オートモーティブ・ニュースに全面広告を出して両社を非難した。

 「既存の自動車メーカーと関係する企業は、全米のほとんどの地域でフランチャイズ・ディーラーを使わずに新車を販売することが州法で禁じられている」と訴えた。スピンオフ・ブランドがすでに確立された自動車メーカーの系列である以上、ディーラーにはこれらの車を販売する権利があるというのがディーラー側の考えだ。ディーラーとブランドは2年近く協議を続けているが、平行線を辿ったままだ。

 ソニー・ホンダの「アフィーラ」は、25年にセダン型EVの生産を開始し、翌年には米国で販売を開始する予定。「スカウト」は26年からボディー・オン・フレームの電動ピックアップトラックとSUVを生産する。生産スケジュールに余裕がないため、ディーラーとの長い法廷闘争に巻き込まれないことが肝心だ。