Monday, July 14, 2025 7:25 AM
LG、ESS向け電池生産を強化〜EV市場の成長鈍化で
EV用電池大手のLGエナジーソリューションは、電力系統(グリッド)や人工知能(AI)データセンター向けの電力供給事業を拡大している。
オートモーティブ・ニュースによると、同社は5月、EV向け電池を生産しているミシガン州ホランド工場で、エネルギー貯蔵システム(ESS)用リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池の生産も開始した。EV販売の伸びが鈍化し、自動車業界の先行き不透明感が高まる中、今後はESS用の電池市場が成長をけん引すると見ている。
LGエナジーは2023年、ホランド工場に30億ドルを投じてEV用電池の生産を拡大し、トヨタに供給すると発表していた。ところが同州ランシング近郊の電池工場から合弁相手のGMが撤退したため、トヨタ向け電池をランシングで生産することにした。
LGエナジーはこれまでに、ホランド工場でのESS用LFP電池の生産に14億ドルを投じている。同社のこの選択は、EVとESS市場における需要が変化した結果だ。
自動車メーカーは北米の電動化計画を見直し、生産目標を縮小してプログラムを延期している。一方で米国では、グリッドの電力供給のひっ迫やAIデータセンターの増加に伴い、クリーンエネルギーを活用した蓄電ニーズが急速に高まっている。
ホランド工場は、LGにとって北米最古の施設で、他工場の見本となってきた歴史がある。同社はその工場で、北米で初めてESS向けLFP電池の生産を始めた。年間生産能力は、EV向けの5ギガワット時(GWh)に対し、ESS向けは16.5GWhに達する予定で、今後はESS向けが事業の主軸となる見通し。