Tuesday, July 15, 2025 6:58 AM

エラフェ、高性能インホイールモーター「ソニックX」を発表

 インホイールモーター(IWM)技術とホイール制御の開発大手エラフェ(Elaphe、スロベニア)は、新しい高性能IWMプラットフォーム「ソニックX」を発表した。

 エレクトライブによると、半年前にラスベガスでのIT家電見本市「CES2025」で発表した高性能フロントホイールIWM「ソニック1」の後続で、EV専用だった前モデルと異なりハイブリッド車(HV)にも使用できる。

 400ボルト(V)と800Vの電圧システムに対応しており、内燃エンジン車に使って性能を強化することも可能。車輪1個当たり最大300キロワット(kW)の出力を発揮しつつ、追加重量はわずか25キログラム(kg)で、2個のモーターを搭載した従来の電動アクスルと比べ約40%の軽量化を実現している。

 標準の高性能ブレーキと互換性があり、20〜23インチ径のリムに適合する大型ブレーキディスクの統合が可能で、これは業界初だという。

 システムは、トランスミッションなしのダイレクトドライブ・インホイールモーター、パワーエレクトロニクス、組み込みの独自高速制御ソフトウェアで構成された軽量設計で、連続出力密度は8kW/kg以上、トルク密度は80ニュートンメートル(Nm)/kg。高性能ブレーキは制動時の温度上昇を抑え制動距離を短縮し、トラックにも適している。

 さらに「Advanced Elaphe Slip Control」によって、加速と減速が15%向上し、コーナリング速度は5%向上している。

 エラフェは、経営破綻したEVメーカーのローズタウン(Lordstown)やソーラーEV開発のアプテラ(Aptera)への納入実績があるほか、2024年はマクラーレンとパワートレインを開発する提携を発表している。