Wednesday, November 23, 2016 10:07 AM

大麻使用認める州増える〜雇用者には新たな課題浮上

 マリフアナ(大麻)合法化の波が雇用者に新たな課題を突き付けている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、雇用関連法弁護士などの専門家は、雇用者が今後、違法薬物の使用を認めない職場を維持する上で連邦法と州法の食い違いに苦労するだろうと考えている。

 医療用大麻が既に合法であるカリフォルニア州では、大統領選挙と合わせて実施された住民投票で娯楽用大麻も合法化された。メインとマサチューセッツ、ネバダでも似た内容の解禁が承認されたほか、アーカンソーやフロリダ、モンタナ、ノースダコタでは医療用大麻の合法化や使用拡大が決まった。これによって、国内では何らかの形で大麻を合法化した州が28州と半数を超えた。しかし、連邦法は依然として大麻の使用を禁じている。

 マイリック・オコンネル法律事務所(マサチューセッツ州)のアマンダ・バエル弁護士によると、大麻が完全に合法化された同州やカリフォルニア州の場合、職場で違法薬物検査を実施する雇用者は注意を要する。陽性反応が出た従業員を罰したり解雇したりすれば権利侵害で提訴される恐れがあるからだ。一方で、重機の操縦や旅客車両の運転など特に安全が重視される作業が伴う職場だと、薬物を使用した従業員が事故を起こせば雇用者に管理責任が問われたり、損害賠償を求められたりする可能性がある。

 バエル氏の懸念の1つは、大麻の有効成分が体内に数日間とどまる可能性があることで、従業員の大麻使用が勤務中なのか勤務時間外か、または数日前に使った大麻が現在も効いているのかといった判断が必要な事態が起きても対処が難しくなる。雇用者はこのため、前もって従業員に対して職場規定を明確にしておくと同時に、事業拠点の州法について弁護士の助言を得る必要があるという。